2016.6.28
Q & A
2016年6月23日に行われた国民投票で、英国はEUからの離脱を決めました。英国離脱の決定を受け、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長、マルティン・シュルツ欧州議会議長、EU理事会議長国オランダのマルク・ルッテ首相、およびジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長は翌24日に共同声明を発表し、その中で「この決定は残念であるが、尊重する」と述べました。また、フェデリカ・モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長も声明を出し、「EUは現在もそうであるが、今後も、強力な主体であり、我々の世界中の友人にとって信頼できるパートナーであり続ける」と強調しました。
2016年2月18日、19日の欧州理事会(EU首脳会議)で合意された「EU内の英国の特別な地位を強化する合意(the UK Settlement)」は、消滅しました。
加盟国の離脱に関する規定は、EUの基本条約である「EU条約(Treaty on the European Union)」の第50条に定められています。同条は、第1項で、「全てのEU加盟国は、その憲法上の要請にしたがって、EUからの脱退を決定することができる」、第2項で「脱退を決定した加盟国は、その意図を欧州理事会に通告する。・・・」とし、続いて脱退交渉のための取るべき手続きを詳細に定めています。この手続きにかかる時間は、双方が延長に合意しない限り、最大で2年です。
なお、同50条の下で交渉を行っている間、EU法は英国に適用され続けます。
英国からEUを離脱するという通告を受けた後、欧州理事会は、英国首脳を除いた会合において、脱退のための取り決めを定める協定の交渉指針に全会一致で合意しなければなりません。協定は、同じくEU基本条約である「EUの機能に関する条約」の第218条第3項にある国際協定に関するルールによって交渉されます。
つまり、欧州委員会が英国を除いた加盟国の閣僚からなるEU理事会に勧告を提出し、同EU理事会が交渉開始の承認およびEU側の交渉官または交渉団の長を指名する決定を採択します。交渉された協定は、EU理事会において、英国を除いた27カ国の65%の人口を代表する72%以上の票による特定多数決で採択される必要があります。また、最終合意は欧州議会の単純多数決で承認されなければなりません。
^ EU条約第50条
「欧州連合条約(Treaty on the European Union)」および「欧州連合の機能に関する条約(Treaty on the Functioning of the European Union)」(英語)
「EUの法律はどのように決められていますか?」(EU MAG 2013年8月号 質問コーナー)
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