EUの主な機関

欧州連合（EU）は、その運営や法律制定のためのさまざまな機関を有する。主なものは以下の通り。 

欧州理事会 (The European Council)

欧州理事会は常任議長（EU大統領）、EU 加盟国首脳、欧州委員会委員長で構成される最高政治機関であり、EU首脳会議とも呼ばれる。年4回以上の会議を開き、 EU全体の政治的方向性や政策の優先順位を決め、EU理事会で合意形成されなかった複雑な問題などをめぐり決定を下す。ただし、立法権はない。

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EU理事会 (The Council of the European Union)

EU の主な立法、意思決定機関。EU 加盟各国政府の閣僚で構成され、閣僚理事会とも呼ばれる。議長国は半年ごとの輪番制。ただし、外務理事会の議長はEU外務・安全保障政策上級代表が務める。主な役割は、欧州委員会が提案する法案の採択（通常は欧州議会と共同で）、EU予算の承認（欧州議会と共同で）、欧州委員会が交渉した国際協定の承認など。EU 理事会の決定はほとんどの場合特定多数決で行われるが、税制、基本条約の制定、新加盟国の承認といった重要事項の決定は全会一致が適用される。

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欧州議会 (The European Parliament)

EU市民の利益を代表する機関。欧州議会の議員（定数705議席）は、5年ごとに全加盟国で比例代表制の直接選挙で選出され、国ごとではなく政党グループで行動する。欧州議会は、ほとんどの分野でEU理事会と共同で立法権を持ち、EU予算案の採択、EU 法制定、新しい欧州委員長と欧州委員会の承認、欧州委員会の解散権などの役割・権限を持つ。年12回の本会議はフランスのストラスブールで、追加的な本会議や委員会などはベルギー・ブリュッセルで開催され、ルクセンブルクに議会事務局が置かれている。

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欧州委員会（The European Commission） 

 EU の行政執行機関。主な役割は、EU の法案を策定してEU 理事会と欧州議会に提案、 EU の政策の実施や EU 予算の執行、 EU諸機関や加盟国におけるEU の条約・法律の順守状況を監視し、必要な場合には違反者を EU 司法裁判所に提訴―など。「省庁」に相当する総局が行政事務を担う。

欧州委員会は、委員長とEU外務･安全保障政策上級代表を含め、各加盟国から 1 人ずつの委員で構成される。委員長は欧州理事会が候補者を選定、欧州議会の承認を受けて就任。その他の委員は各国政府から次期委員長と協議の上で指名され、欧州議会におけるヒアリングを経て、一括して欧州議会の承認を受ける。任期は委員長、委員ともに 5 年。 委員長は再選されれば２期まで務めることができる。

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欧州委員会について教えて下さい（2016年5月）

欧州対外行動庁（The European External Action Service: EEAS）

EUの「外務省」に相当し、リスボン条約（改正基本条約）に基づき2011年1月に正式発足した。本部はブリュッセルにあり、世界各地に大使館に相当する「代表部」を置いている。トップの外務･安全保障政策上級代表はEUの外務大臣にあたり、EUの共通外交・安全保障政策（CFSP）を調整・推進するとともに、EU外務理事会の議長も務める。欧州委員会の副委員長も兼務する。

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欧州司法裁判所（The Court of Justice of the European Union）

EU 法の順守と基本条約の適切な解釈・適用に関する問題で判断を下す。所在地はルクセンブルク。判事は各加盟国から 1 人ずつ任命され、任期は6年、再任も可能。

欧州中央銀行（The European Central Bank: ECB）

単一通貨ユーロを発行・管理し、ユーロ圏の物価安定を図ることを主な目的とする。本部はドイツ・フランクフルト。各国政府やその他の機関から独立して政策を決定し、ユーロを導入している各国の中央銀行は、ECB の決定に基づき、ユーロに関する政策を実施する。ECB総裁は欧州理事会の特定多数決で選ばれ、任期は8年。

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