深まる秋に振り返る実り多き一年

まず初めに、10月に発生した台風・洪水等の自然災害で最愛のご家族やご友人を亡くされた皆さまに心よりお悔やみ申し上げ、また被災された皆さまの生活再建が、幅広い支援を受けて迅速に進むことを切に願っています。

秋の夜長は、思索にふける時間を与えてくれますが、私の場合は、欧州連合(EU)と日本の関係が真に戦略的な関係へと進化する契機となった、本年のさまざまな重要な節目に思いを巡らせています。

まず思い出すのは、大きな期待とともに2月1日に発効した日・EU経済連携協定(EPA)です。EPAは、市場アクセスの拡大や手続きの簡素化などを通じて、双方の消費者や企業に具体的な恩恵をもたらします。同時に戦略的パートナーシップ協定(SPA)の暫定適用が開始しましたが、9月にはその具体的成果につながる出来事がありました。ブリュッセルで「持続可能な連結性と質の高いインフラに関する日・EUパートナーシップ」が署名され、また京都で開催された今年の「日・EU科学政策フォーラム」では研究・イノベーション分野における協力強化に向けて決意を新たにしたのです。さらに、欧州留学フェアやEUフィルムデーズ、またヨーロッパ文芸フェスティバルの開催を通じて、欧州の最良の部分を本年も日本の皆さまにお届けしてきました。

本年を総括するのであれば、日本が献身的に誠意をもって議長国を務めた20カ国・地域首脳会合(G20)の功績に触れなくてはなりません。あらゆるG20関連会合において、日本とEUは多国間主義を守るというメッセージを発することができました。

年末にかけては、G20外務大臣会合や年に一度開催される科学に関するイベント「サイエンスアゴラ」への参加、日本市場への参入意欲がある欧州企業を支援するEU Green Gatewayプログラムの2つのミッションなど、共有する価値と共通の利害に基づく日・EU関係を前進させるさらなる行事が控えており、忙しい日々が今後も続く予定です。

こうした全てのイベントが無事に終了し、オリピックが開催される来年に向けての準備が始まるころには、日本の友人やパートナーの皆様と共に、2019年に私たちが成し遂げたことを回想し誇りに思うだろうと私は確信しています。

パトリシア・フロア
駐日欧州連合特命全権大使

Patricia FLOR
Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the European Union to Japan