ユーロ圏安定とアジアとの関係強化に向けて

最近開催された2つの主要な国際会議は、欧州連合(EU)の今後の進路についての極めて重要なメッセージを、世界全体に示す良い機会になりました。

まず、10月中旬に、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会が東京で開催され、EUを含む世界中の国々から官民の代表が集まり、世界経済に影響を与える最重要課題について協議しました。この会議を通じて、各国の政策担当官や市場参加者たちの抱く認識が、EUが取ってきた欧州債務危機への対応策は実際にユーロ圏の長期的な安定化に向けた体制作りに有効だという、よりバランスのとれたものに変わりつつあることを実感しました。

また、11月5日と6日にラオスで開催された第9回アジア欧州会合(ASEM)では、51人の各国首脳陣が一堂に会し、アジア地域と欧州の関係が発展し続けていることを示しました。会期中に、ヴァンロンプイ欧州理事会常任議長とバローゾ欧州委員会委員長は野田首相と会談し、来年初頭に開催が予定されている、次回の日・EU首脳協議に向けた話し合いを行いました。

EUは、2012年を「アジアにおけるEU年」に指定しています。ASEM首脳会合は、アジアにおける欧州の関与の高まりとともに、双方の相互依存の強さを浮き彫りにしました。EUのアジアに対する関心は、経済や通商の分野に限られず、政治および安全保障の問題にもあることを強調したいと思います。EUにとってアジアの安定と安全が重要であるとともに、気候変動からテロにいたるさまざまな国際的問題を解決する上で、アジアは重要なパートナーなのです。また、欧州のより積極的な関与が、アジアにおける地域的緊張が高まっているこの時期に、問題解決に向けた何らかの良い影響を及ぼすことができることを願っています。

ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート

Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使