2015.1.5

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2015年、節目の年に将来を見据える

2015年、節目の年に将来を見据える

昨年の12月19日に、天皇陛下へ信任状を捧呈し、正式に駐日欧州連合(EU)大使として新年を迎えることができたことを、大変うれしく思います。

2015年という年は、我々の多くにとり、さまざまな意味において、極めて重要な年となるでしょう。本年が、第二次世界大戦の終戦70周年にあたることは言うまでもありません。この重大な節目を記念し、ここ日本を含め、世界各地で数多くの催しがもたれることと、確信しています。

欧州人にとりましては、2015年はヘルシンキ宣言の40周年として、重要な意味を有しています。この欧州安全保障協力会議の最終合意書は、35の国々が、共産圏と西側の関係改善の試みとして、署名したものです。同合意書は、ウクライナ東部における事態の沈静化に、顕著な業績を挙げている、現在の欧州安全保障協力機構(OSCE)の下地となっています。

他方、EUは将来を見据えてもいるのです。加盟国と欧州委員会による貢献を合わせますと、EUは世界最大の政府開発援助(ODA)を提供していることになります。また、EUでは2015年を欧州開発年に指定することで、域内外において、この課題に関する認識のさらなる向上を目指すことにしています。EU全域において開発への支援が高い水準を維持しているという事実に加え、最近のEUの世論調査において、EU市民の約85%が、経済危機の中にあっても、開発途上国への援助は継続すべきだと回答していることに、意を強くしています。日本もまた主要な援助提供国あることは、我々も良く承知しています。この分野における日欧協力が、より良い世界を作る助けとなることを祈念しています。

新しい年は、いつも、新たな希望、新たな発想、新たな友人をもたらしてくれます。日本との関係を発展させ続けることにより、このすべてが潤沢に存在する年になることと、信じています。

ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使

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