新たな日・EU関係に向けたスタートライン

本年3月は、欧州連合(EU)と日本の関係にとって記念すべき時として記憶されるでしょう。3月25日に双方の首脳が、2つの画期的な二者間協定――政治的でグローバルかつ分野別問題を包含する戦略的パートナーシップ協定と、貿易と投資に関する問題を包括的に取り上げる自由貿易協定――の交渉を開始することを決定したからです。

予定されていた日・EU定期首脳協議は、キプロスの経済危機対処でヘルマン・ヴァンロンプイ欧州理事会議長とジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長の訪日が延期されたため、実現しませんでした。そのような状況の中で、日欧の首脳が電話会談の中で行ったこの決定は、日本と欧州の新たな時代のための下地を作り、日・EU関係を次の次元に高めるため双方が真摯に取り組む姿勢を示しました。

双方合わせて世界のGNPの3分の1を占め、類似の課題を抱えている大経済圏である日本とEUは、互いに持続可能な成長や雇用創出、競争力強化のための対策を実行することに強い意欲を持っています。自由貿易協定は、そのカギを握る要素となるでしょう。日本とEUはまた、開かれた民主的主体としての自らの役割を認識し、世界の安定、安全、平和に寄与する努力をさらに促進しようとしています。

私たちはようやくスタートラインに立ちました。交渉が難しいものであるのは間違いないでしょう。しかし、得られる結果はその努力に十分に見合ったものであり、必ずやより力強くより互恵的な関係のための礎が築かれるものと信じています。

ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート

Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使