EUに留学するには、どうしたらよいですか?

© European Union, 2013

Q1. ヨーロッパの国々への留学に関する情報はどこで入手できるでしょうか?

欧州委員会の運営するウェブサイト”Study in Europe“(英語)では、EU加盟国をはじめ欧州の全32カ国の高等教育機関(大学・大学院レベル)への留学に関する最新情報を提供しています。受けられるコースや奨学金に加え、出願方法に関する一般的情報や、留学生活に役立つ情報をご覧いただけます。また国別に必要な情報を探すこともできます。国の公用語にかかわらず、英語で学べる学校もあれば、その他の欧州言語で行われるコースもあります。

出願方法、奨学金制度、生活費、言語要件、日本で持っている資格の認定などは、国や教育機関によって異なりますので、個別の質問は、各国の駐日大使館にお問い合わせください。一般的な情報でしたら、駐日EU代表部でもお答えできます。

アンリ・ポアンカレ大学(フランス・ナンシー市) ©European Union, 1995-2012

Q2. EUは留学に助成金を出しているのですか。

加盟国ごとの留学プログラムとは別に、EUは、修士・博士課程を対象とした独自の留学プログラム「エラスムス・ムンドゥス(Erasmus Mundus)」を設けて、世界各国から学生・研究者を迎え入れています。15 ~16世紀に欧州各地を渡り歩き研究を続けたオランダの人文主義者エラスムスにちなんで命名されたこのプログラムは、欧州の学生たちに出身国以外の欧州諸国で学ぶ機会を提供した「エラスムス」プログラムが土台となっています。エラスムスもエラスムス・ムンドゥスも、欧州では大変知名度の高い留学プログラムです。

エラスムス・ムンドゥスでは、留学生の個々の専門に合わせて、欧州の3大学以上が共同でコースを提供し、留学生は、2つ以上の国の機関を移動して学び、コースによって修了時に、ジョイントディグリー(複数の大学が連携して付与する学位)、またはダブルディグリー(2つの大学から同時に付与される2つの学位)を取得することができます。また、これらのコースには奨学金制度もあります。

欧州での知名度と充実した奨学金制度にもかかわらず、残念ながら現在までにエラスムス・ムンドゥスで留学した日本人学生の数はわずかです。しかし、日本政府もグローバル人材を育てるため留学を推進しており、今後その傾向が変わっていくことが期待されます。

エラスムス・ムンドゥスの詳細は、駐日EU代表部のウェブサイトをご覧ください。

産官学共同プロジェクトでのミーティング(スウェーデン・カールスハムン市) ©European Union, 1995-2012

Q3. 欧州で勉強する利点は何ですか?

主に3つの理由が挙げられます。教育の質、多様性、広がるチャンスです。

教育の質

欧州は、学問の中心地として世界的な名声を築いています。毎年、欧州の多くの大学が世界の大学ランキング上位100位内につけています。欧州は、世界に影響を与えた多くの学者たちを生んだ場所であり、最高水準の施設や、最先端の研究機会が整っています。

しかも、こうした高水準の学問を享受するために、法外な費用がかかるわけではありません。教育は欧州の競争力を高めるための最優先分野であり、授業料や生活費は妥当な水準に抑えられています。

多様性

欧州では、さまざまな学位課程を設けた数千もの高等教育機関から自分に適した留学先を選ぶことができます。一流の研究機関から、こじんまりとして親しみやすい雰囲気の大学まで多様な選択肢の中から、日本人学生も自分の希望に沿う留学先を見つけることができるでしょう。

また、欧州各国のみならず世界中から留学生が集まる多国籍な環境の中で、欧州ならではの文化的体験ができ、異文化間コミュニケーション力を身につけることができます。また、エラスムス・ムンドゥスを通じた留学であれば、複数の国や機関で学ぶこともでき、世界や日本をさらに複眼的に見ることができるでしょう。

広がるチャンス

欧州で学ぶということは、世界のどこに行っても認められる最高水準の学識を身につけるということです。しかも、大学で用意されているさまざまな奨学金制度を利用することができます。

就職してからは、欧州で受けた教育だけではなく、その他、欧州滞在中に身につけた、世界経済の感覚や、自立・独立心、異文化理解や語学力が、あなた自身の強みとなり、「競争力」も高まることでしょう。

また留学中には、欧州の素晴らしい都市を巡り、美しい海岸での海水浴やアルプスでのスキー、地方の祭りに出かける機会を思う存分活用し、見聞を広めることができます。

Q4. 欧州への留学について、もっと知りたい場合はどうしたらよいですか?

駐日EU代表部では、日・EU間の学生・教育交流のため、さまざまな活動を行っていますが、主なプロジェクトとして挙げられるのが、「欧州留学フェア(European Higher Education Fair)」と「EUサークル(EU Circle)」の2つです。

2012年の欧州留学フェア会場

欧州留学フェアは、欧州から多数の大学をはじめとする高等教育機関が来日し、コースやプログラムについて日本の学生に直接説明するイベントで、2012年から開催されています。本年は、5月17日、18日に東京の明治大学、19日に京都の同志社大学にて、欧州の10カ国以上から約50の団体を一堂に集めて開催されます。詳細は、EHEF公式ウェブサイトをご覧ください。

また代表部では、EUサークルという日欧の学生の交流と友好を後押しするネットワークを運営しています。このネットワークは、日本人学生、在日留学生、在外日本人留学生をはじめ、日本もしくは欧州への留学に関心を持っている学生であれば誰でも参加でき、主にフェイスブックページ上で、イベントや欧州留学に関する最新情報を共有し、自由に投稿することもできます。また東京をはじめ地方でもオフ会を年に2~3回開催しています。フェイスブックページでイベント情報をチェックするとともに、気に入った投稿があったら「いいね!」を押してみてください。

欧州留学フェア、EUサークル、エラスムス・ムンドゥスに関する個別のお問い合わせは駐日EU代表部広報部のリチャード・ケルナー学術協力担当(Richard.Kelner@eeas.europa.eu)までお問い合わせください。

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