2021年「EUがあなたの学校にやってくる」開催

写真提供:札幌日本大学中学校・高等学校

11月8~9日の2日間、駐日欧州連合(EU)代表部とEU加盟国の駐日大使12人を含む29人の外交官が、日本各地の高校を訪問してEUの制度・政策やEU加盟国に関する出張授業を行う「EUがあなたの学校にやってくる(EU Comes to Your School)」が開催された。

本年の出張授業には、いずれも新型コロナウイルス感染症対策を徹底した32校の計約9,500人の生徒が参加した。授業では、EUの成り立ちや今日の世界で果たしている役割、またEU加盟国の多種多様な歴史や文化などの例年のテーマに加えて、新型コロナウイルス感染症に対するEUの取り組み、本年5月に合意したばかりの日・EUグリーンアライアンスなどについても紹介された。終了後、参加した各国の外交官たちはツイッターで「生徒のみなさん、ありがとうございました」などのメッセージを寄せた(全ての関連ツイートが読めるリンクを文末に記載)。

駐日EU代表部からはパトリシア・フロアEU大使とローランド・ホネカンプ政治・広報部長の2名が講師陣に名を連ねた。フロア大使は11月9日に、今回初参加の宮城県名取高等学校を訪問、800人を超える生徒に対面とオンライン双方で授業を行った。全体授業の後に約20人の希望者と行われた少規模の授業では、ジェンダーや環境に関する質問が集中し、フロア大使は、社会的に重要な問題への関心の高さに感銘を受けていた様子であった。担当の教諭からは「日頃の活動に裏打ちされた大使の授業で、生徒たちはEUについて理解を深めただけでなく、プロの仕事に触れる機会を得ることができ感謝しています」との感想が寄せられた。

宮城県名取高校で授業を行うフロアEU大使(2021年11月9日、写真は同校より提供)

ホネカンプ部長は11月8日に、本年で5回目の参加となる札幌日本大学中学校・高等学校を日帰りで訪問、高校2年生約90人を対象に授業を行った(ヘッダー写真)。「オンラインではなく実際に対面で話すことが、このプロジェクトの良いところ。こうした機会が若い生徒たちの印象に残ってほしい」と考えるホネカンプ部長の授業を受けた同校からは、「EUと日本や世界との関わり、国境の枠を越えた平和構築や開発援助についてお話していただきました。質疑応答では、時間ギリギリまで生徒の質問に丁寧に対応していただき、世界を直接感じられる有意義な時間となりました」との感想が寄せられた。

本プロジェクトは2007年から毎年開催され、これまでに延べ1,100校以上を訪問、約47万2,000人に上る生徒に授業を行った。高校生にとっては、駐日外交官から直接講義を受け、世界に目を向けるきっかけとなりうる貴重な体験ができる一方、EUの外交官にとっても、日本の高校生と直接交流できるめったにない機会となっている。

「EUがあなたの学校にやってくる」に参加した外交官たちの全ツイートはこちらでご覧になれます。