新型コロナワクチン輸出承認メカニズムの期間延長

欧州委員会は9月30日、現行の「ワクチン輸出に関する透明性・承認メカニズム(輸出承認メカニズム)」の適用を、本年12月31日まで延長した。延長は2回目で、その後の延長は想定されていない。

欧州委員会が、全EU加盟国を代表して新型コロナウイルス感染症ワクチンの「事前購入契約」を締結した製薬会社のうちEUに拠点を置く企業に対して、EU域外へのワクチンの輸出を承認する同制度は、本年1月30日に一時的措置として導入された。その目的は、企業の契約上の義務に沿って欧州市民へのワクチンの提供を確保することにある。

本制度により、ワクチンの製造、配送、サプライチェーンの透明性が大幅に改善され、EU内のワクチン接種は進んだ。同時に、EUがワクチン輸出の面で世界をリードしていることも示した。同制度の下、日本はEUの最大のワクチン輸出先であり、制度導入の1月30日から9月21日までの間に2億4,400万回分以上のワクチンが、日本へ輸出承認されている。

しかし、EUではワクチン接種は現在も継続中であり、ウイルスの新たな変異体の出現など、不確実性が残っており、域外輸出とEU内供給の透明性が引き続き求められている。そのため、今回の延長に至った。

欧州委員会は、今後3カ月の間に、現行制度が終了する2022年1月1日以降、企業別のワクチン輸出データをタイムリーに提供する監視メカニズムを確立するための取り決めを定める。このような仕組みにより、EUは、強制的な輸出承認制度によらずに、ワクチン輸出の透明性を維持することができる。

EUは引き続き、国際的な連帯と責任の原則に完全にコミットしている。低・中所得国へのワクチン輸出は、今後も同制度の対象から除外される。

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