積極的に進める日本各地との交流

外交機能の中心は首都圏に集中していると思われていることが多く、もちろん中核的な政治・行政のネットワークが各国の首都に置かれているという意味において、実際その通りだと思います。

しかしながら、それは二者間関係の発展が一都市の周辺だけで進むという意味ではありません。在京の欧州連合(EU)代表部では、他の多くの国々の大使館と同様に、日本各地において、EUとその政策への理解を促進することに、意欲的かつ熱心に取り組んでいます。

実際、この数週間、この方針を実行に移し、日本各地との関係を発展させる機会が数多くありました。例えば、6月中旬には、関西経済同友会において講演する機会を頂きました。日・EU自由貿易協定(FTA)に向けて進行中の交渉を含む日欧関係の全体像をお話しするとともに、欧州の経済状況などについて説明しました。関西地方は、医薬品や生命科学の分野を中心に、知識ベースの革新的産業の基点として、欧州では広く知られています。私は、関西にはEUとの協力を強化する潜在性があると思っています。

北に目を転じますと、大変喜ばしいことに、日本で14番目のEU協会が、7月に北海道で正式に発足しました。各地のEU協会は、EU関連の情報を広め、欧州と地方自治体・企業および地元市民との交流を強化することに資する活動をしていただいており、私どもにとって極めて貴重な存在です。セミナーから文化イベントまでさまざまな活動を通して、私どもが最も伝えたいメッセージを広めることに尽力いただいております。

当代表部は、日本の地方と積極的な交流を今後も継続します。対日関係全体にとり、地方がいかに重要であるかを理解しているからです。この観点から、日本政府もまたその包括的政策措置を通して、地方活性化に向けた努力を強化する意向であることは、実に興味深いと思います。

ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート
Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使