2012.3.14
FEATURE
2012年の欧州文化首都であるギマラインス(Guimarães)は、ポルトガル北部の同国第2の都市ポルトから、約60km北東に位置します。面積は約240㎢、人口は16万人で、工業が盛んな都市です。また、ギマラインスは、ポルトガル初代国王アフォンソ1世の生誕地であることから、「ポルトガル発祥の地」とも呼ばれています。市内には中世の歴史的建造物が多く残されており、2001年には「ギマラインス歴史地区」として、ユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録されました。
まずは、ジョゼ・デ・フレイタス・フェラース駐日ポルトガル大使の案内で市内を巡り、ギマラインスの魅力に迫ってみましょう。
「ギマラインスの中心部にあるトウラル広場の城壁には『Aqui Nasceu Portugal(ここにポルトガル誕生す)』と誇り高く書かれています。ポルトガルの歴史を見守ってきたこの町は、ポルトガル初代国王の生まれ故郷であり、旧市街はユネスコの世界遺産に登録されているなど、見所が数多くあります。
中世の雰囲気が色濃く残る旧市街は、歩いて散策するのをお勧めします。町を展望出来るお城からスタートし、39本の煙突が印象的なブラガンサ公爵館を見学した後、サンタ・マリア通りや迷路のような横丁を探索すれば、まるで中世にタイムスリップした気分になるでしょう。そして気がつけば、この町の心臓部であるオリヴェイラ広場にたどり着きます。
地元の若者や家族連れで賑わうカフェやレストランで、御当地グルメとワインを賞味し、ゆっくり流れる時間を満喫したら、夜は市街から東へ2~3kmの丘の上、修道院を改造した中庭と16世紀のタイルが目を引く美しいポザーダ・デ・サンタ・マリ-ニャ・ダ・コスタに宿泊してみてはいかがでしょう。きっとこの小さな町がポルトガルのアイデンティティーの象徴であることを実感出来るでしょう。
本年の欧州文化首都であるギマラインスでは、数多くのイベントやアクティビティーが企画されており、市内はいつにも増して活気に満ち溢れています。是非、この機会に、日本とポルトガルを結ぶ古い友情の源とも言えるギマラインスに足を運んでいただければ光栄です」
「来年はポルトガル人の日本到来から470周年を迎えます。この記念すべき年に日本でも、日・ポ交流イベントを通して多くの方々にあらためてポルトガルを再発見して頂きたいと考えております」(原文日本語)
ギマラインス市は、 “ギマラインス2012”というプロジェクトを立ち上げ、音楽、映画、写真、美術、建築、文学、演劇、ダンス、ストリート・アートにいたるまで、多岐にわたるイベントを準備してきました。市民が主体となって運営するこれらのイベントには、ヨーロッパ中からアーティストが参集し、さまざまなコラボレーションが試みられます。ギマラインス市は、こうした活動を通じて、市民の人的育成と地域経済の創造的な成長を図るとともに、「ポルトガルの古都」から、新鮮かつ創造的な文化の中心地としての新たなイメージを生み出そうとしています。
ギマラインス市財団のカルロス・マルチンス代表(CEO)に、“ギマラインス2012”を紹介してもらいましょう。
「ギマラインスには、古くから継承されてきた文化と、新しいものを作る創造性とが共に存在し、そのすべてが地域経済や市民の生活と強く結びついています。市民の積極的な参加が、市の人的資源の質の向上を促すとともに、経済の多様性を促進させ、よりよい公共空間を生み出しているのです。
ギマラインス市財団は、市民と共に、演劇や映画製作、美術館の展示企画やニューメディアの活用など、さまざまな分野における文化的研修事業を行ってきました。“ギマラインス2012”の開催に伴い、ヨーロッパ中の著名なアーティストを迎えることは、私たちにとって非常に重要であり、大きな喜びです。しかし、私たちの最終的な目標は、ギマラインス市の歴史的背景や、現在の国際的な関係性の中から、今後の私たちの発展を方向づけるユニークな経験を得ること、そしてその経験を市民と共有していくことなのです。
“ギマラインス2012”は、発見、学び、行動、そして成長の場。1年間を、『出会い』『創造』『享受』『再生』という4つのフェーズに分け、さまざまなイベントを開催していきます。日本の皆さんのご訪問を心待ちにしています」
(原文英語、日本語要約)
この記事に関連する情報
欧州委員会「欧州文化首都」(英語)
ギマラインス2012オフィシャルサイト(ポルトガル語、英語、フランス語)
UNESCO世界遺産(文化遺産)「ギマラインス歴史地区」(英語)
ポルトガル公式観光ウェブサイト(日本語)
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