達成感を抱いて4年間を振り返る

本号の読者の皆さまへのメッセージは、若干悲しさを帯びています。なぜなら、駐日欧州連合(EU)大使の任期を終えて8月末に日本を離れるため、これが最後のメッセージとなるからです。

しかし、日本とEUの関係に新たな活力を感じることができる今、誇りと達成感を抱いての離日となることは、間違いありません。それはとりわけ、日本との戦略的パートナーシップ協定(SPA)と経済連携協定(EPA)の交渉が終結したことに帰するものです。この数年間、双方が確固たる信念を持って交渉にあたったおかげで、ここまで来ることができました。今後の協定発効までの道のりは、迅速かつ円滑であると確信しています。

この2つの協定により、日本とEUはより緊密に連携を取りながら、グローバル化の行方に影響を及ぼすとともに、自由貿易を標榜し、サイバー犯罪、災害管理、気候変動などの世界的課題に対応することになります。

この2つの協定の便益と重要性について、またこの数年間に日・EU関係において達成された他の進展について話し出すと、きりがありませんが、この最後のメッセージを通して、EU MAGの読者の皆さまには、EUとその活動、そして日・EU関係に純粋な関心を寄せていただきましたことに、感謝を申し上げたいと思います。

EUは毎年毎年新たな課題に適応し、また挑んでいく、生きたプロジェクトです。この急速に変化する世界において、EUは、善なる力であり続ける決意です。その目的のために、日本をはじめとするパートナー諸国との協力を継続していきたいと考えています。

必ずや、これまでの素晴らしい業績の上にさらに多くが積み上げられていくことでしょう。なぜなら、日本とEUの関係には限界が存在しないからです。

 

ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使