2015.7.21

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ギリシャやイランなど内外の難題に取り組むEU

ギリシャやイランなど内外の難題に取り組むEU

欧州連合(EU)にとって、この数週間は極めて重要な時期でした。域内ではギリシャを取り巻く厳しい状況を打開するための最良の方法を探る一方、国際的にはイランの核開発問題をめぐる緊張を解くための国際的な合意に向け、仲介者として動いていました。

ギリシャについては、ここ日本でも多くの人々がユーロ圏の首脳による17時間にわたる協議を追っていたことと思います。うれしいことに、我々の2つの主要な目的――ギリシャがユーロ圏に留まること、および同国が改革の道に残り雇用と成長を取り戻せるような条件に、ユーロ圏19カ国が全会一致で合意すること――が達成されました。今回の合意が信頼に基づく新たなパートナーシップの始まりであることを確信しています。

また、イランの核開発計画に対処するための包括的共同行動計画に関する最終合意については、EUが調整役を果たすことでこの問題の決着に大いに貢献しました。EUの歴史において輝ける功績として胸を張れるものだと考えます。協議は困難、複雑かつ長期にわたりましたが、勇気をもって国際社会は平和に向けた歴史的な一歩を踏み出しました。今回の合意により10年以上にわたる危機に対し、新たな展望や進みうる道筋が見えてきました。

EUが域内・域外を問わず、あらゆる状況において全力で課題に取り組んでいることを示すこれらの出来事が、ユーロ圏や欧州統合に対してのみならず、国際社会全体にも良い流れを作り出すことを期待しています。

この前向きな思いをもって、読者の皆さまには、良い夏季休暇を過ごされるよう、お祈りいたします。このデジタルマガジンEUMAGは、8月は休刊させていただきます。9月号でまたお会いしましょう。

 

ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使

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