行楽の季節を前に気候変動を考える

本年もゴールデンウィークが近づいてきました。当代表部におきましても、3月中旬に仙台で開催された国連防災世界会議における、極めて集中的ながら実り多い協議を終え、軽快に日々の活動をこなしています。同会議において新たに採択された2015年以降の枠組みは、災害リスクの軽減において、国際社会が強く望むような確固たる前進を、反映しています。この仙台枠組みには、2020年までに国および地域における防災戦略の採用国数と、多重被害に対する早期警戒システムへのアクセスを大きく増強するとの、EUにとって重要な意味を有する、2つの行動目標が盛り込まれました。

また、本年12月にパリで開催される重要な国際会議にも、大きな注目が集まっています。この「国連気候変動枠組条約」第21回締約国会議(COP21)には、新たな気候に関する国際的協定を採択するという役割が与えられています。気候変動との闘いにおいて、世界の先頭を走ってきたEUは、このパリ会議において、変化する世界経済と各国の状況に基づき、万国にとって明確で公正で野心的な目標を伴う、全締約国に適用可能な、共通の法的枠組みを構築するための、強固な合意が達成されることを希望しています。EUはすでに、2030年までに、域内の温室効果ガス排出を40%削減することを表明しています。

気候変動が我々の世界と子孫に及ぼす影響について、日本もEUと同じように懸念していることを承知しています。今月に駐日EU代表部で開催される主なイベントの一つが、日欧双方からの産業界代表と、欧州6カ国の大使が出席するセミナーです。EUの気候変動政策とその加盟国による実施に焦点を当てるのみならず、気候変動政策が産業にもたらす課題と機会、そのような施策が投資やビジネスの戦略にどう影響するのかについても、注目することとしています。

 

ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使