ロシアのウクライナ侵攻には強固な国際連携で対抗

数十年にわたる平和の後、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、再び欧州に戦争をもたらしました。

平和で独立した隣国ウクライナに対するロシアのいわれのない不当な軍事侵攻は、国際法や国連憲章に対する明白な違反であり、欧州連合(EU)は、最も強い言葉で非難しています。2月24日、侵攻の開始から24時間も経たない内に、私はEU加盟各国大使と共にウクライナ大使館を訪れ、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使と面会し、ウクライナとその国民に対する私たちの支持と連帯を直接伝えました。

前例のない事態には、前例のない行動が求められます。EUは、史上初めて、武器やその他の装備品を攻撃を受けている国に供与するために資金を拠出すると決定しました。また、ウクライナとその国民に対して、強力な政治的・財政的・人道的支援を提供しています。さらに、異例の措置として、EU加盟国は、ウクライナから避難してきた人々に対して一時的な保護を提供することに全会一致で合意しました。

ロシアの侵攻が始まって以来、日本とEUは歩調を合わせて、ロシア政府の行動を容認せず、厳しい制裁を科してきました。制裁は確かに犠牲を伴いますが、私たちの自由や価値を守るためであれば、欧州市民はそうした犠牲をいといません。

私たちは、エネルギー安全保障上の課題を緩和するため、日本が契約済みの液化天然ガス(LNG)を欧州に融通する意欲を示してくれていることに大変感謝しています。またEUは、日本もウクライナ難民を積極的に受け入れるという岸田文雄総理大臣の発表を歓迎します。

国際社会は、プーチン大統領が、数十年にわたって欧州や世界に平和と安定をもたらしてきた安全保障体制を破壊することや、法の支配を残忍な武力の支配に置き換えることを許してはなりません。日本と日本国民の皆さまが、私たちを支持し、共に民主主義国の決意と強さを示して下さるものと期待しています。

パトリシア・フロア
駐日欧州連合特命全権大使

Patricia FLOR
Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the European Union to Japan

※フロア大使は、出身国ドイツの駐中国大使に就任するため、4月頭に離日いたしました。後任の大使が着任するまで、ハイツェ・ジーメルス公使が臨時代理大使を務めます。(関連ニュースはこちら