2017.1.1

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本年2つの節目を迎えるEU

本年2つの節目を迎えるEU

2016年が多事な一年だっただけに、新年を迎えることをいつもより嬉しく感じている人も、少なくないのではないでしょうか。

確かに、今はまさに変化の時であり、それは世界のあちこちで起きています。周知の通り、欧州もそのような激変から免れているわけではなく、新しいカレンダーを机に置いたり、壁に掛けたからといって、この目の前の課題が消えるわけではありません。今後数カ月のうちに起きるであろう最も顕著で重大な動きは、言うまでもなく、昨年6月の国民投票の結果を受けて、英国が欧州連合(EU)からの離脱を正式に発表することです。両者があらん限りの知恵と忍耐をもって、今現在EUを構成している、英国とその他27加盟国の双方の市民のためになる成果を生み出すような交渉を行わなければなりません。我々には、そのための意志も能力も備わっています。その交渉の結果がどのようなものになっても、EUと英国が、広範な重要課題で緊密な連携を続けていくことに、疑いの余地はありません。

しかし2017年はまた、EUが自信をもって迎えることのできる年でもあります。欧州統合にとって、2つの重要な節目となる年だからです。欧州経済共同体の創設を規程したローマ条約の調印60周年であるとともに、世界で最も成功している留学制度である、エラスムス・プログラムも30周年を迎えます。戦争を放棄することにより、相互の信頼を高めることにより、欧州文化の多様性を理解・享受することにより、より素晴らしい将来が開かれるのだと提唱した、創設の父たちのビジョンを、EUは実現しているのです。

欧州のみならず世界中の人々が、自らがすべきことを行えば周囲の世界に変化がもたらされる、という希望と自信を胸に、この新しい年を迎えられるよう、願っています。

 

ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使

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