2014.4.21

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清々しい季節を彩る数々の催しに向け

清々しい季節を彩る数々の催しに向け

新年度、新学年がスタートする4月を象徴するおろしたてのスーツや学生服が体に馴染んでくる頃、当代表部では、EUにとって特別な月である5月に開催するさまざまな活動やイベントの準備にとりかかっています。その中心が5月9日のヨーロッパ・デーです。

ヨーロッパ・デーは、1950年に当時フランス外相であったロベール・シューマンが行った、戦争で疲弊した欧州に新たなビジョンを開くきっかけとなるスピーチを記念する日です。この「シューマン宣言」において、欧州国家間の戦争が起こりえないようにするために、新たな政治協力の枠組みが提唱されました。シューマンは、軍事侵略に当時は不可欠であった石炭と鉄鋼の生産を共同で管理する超国家的機関の創設を、呼びかけたのです。この発想から誕生した6カ国で構成される欧州石炭鉄鋼共同体が、現在のEUに向けた最初の一歩となりました。

当代表部では、年次行事であるヨーロッパ・デーに加え、日本の皆さま、特に若者を対象にEUへの関心を高めるためのイベントやアウトリーチ活動を開催します。そのひとつに「EUがあなたの学校にやってくる」というプロジェクトがあります。これは、当代表部のみならず、EU加盟国大使館の外交官が全国の高校を訪問するもので、本年は5月の12日と13日に行います。欧州が提供する広範な高等教育プログラムを一斉に紹介する欧州留学フェアは、東京と京都において5月16日から18日にかけて開催されます。また、EUフィルムデーズは、映画という、まさに国境を越えて人々に伝える媒体を楽しむ機会となるでしょう。東京では5月30日から6月22日まで開催されます。日本各地でも、「日・EUフレンドシップ・ウィーク」の名の下で、さまざまな団体や機関が自主的にイベントを主催します。

本年の5月は、2004年のEU拡大から10年目にあたるため、特別に重要な意味を持ちます。10年前の5月、新たに10カ国を欧州ファミリーに迎え入れたことにより、戦後の欧州分断に幕を下ろすことが出来ました。現在のEUは、2004年当時から大きく変わっています。欧州は、現在のみならず将来の課題に向かって進展し続けています。さりながら、これまで歩んできた道を、歴史的なシューマン宣言以降に我々が達成した成果を振り返ることが重要であることに、変わりはありません。

ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート
Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使

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