2014.3.27
MESSAGE
日本の3月は、毎日のように桜前線の北上やお花見の話題が聞こえてくるようになり、一年の中でも特別な季節だと感じます。日本と欧州連合(EU)の関係に従事する者の立場からすると、今年の桜の季節は、両者が戦略的パートナーシップ協定(SPA)と自由貿易協定(FTA)という2つの協定締結に向けた交渉開始に正式に合意してからちょうど1年目の節目に当たります。
日本とEUは共に、日・EU関係を新たな次元、すなわち貿易や投資、経済面での関係にとどまらず、外交や安全保障における関係強化を含め、より政治的な課題や分野別の課題も視野に入れた上で、国際社会における両者の役割に見合った次元にまで高めるべきだという明確な信念をもって、両者の関係におけるこの新たな段階に踏み出すことを決意しました。
交渉開始から1年が経ち、その間に数回にわたる交渉会合が行われましたが、ここに来て欧州委員会は日本が交渉開始に先立って示した非関税障壁撤廃のロードマップついて、進展を評価することになっています。こうした評価を加盟国に示すことを条件に、欧州委員会はFTA交渉の権限を与えられたのでした。当然ながら評価の結果は予測できるものではありませんが、これまでの交渉の様子からしても、日・EU双方が進展を図るべく確固たる意思を示していると私は確信しています。残された問題点が次回交渉で解決されることを期待しています。
EUは、日本とEUという二大経済圏の合意にふさわしい、大規模で野心的な協定の締結を目標としています。日本側もまた、思いを同じくしていることと信じています。同時進行で交渉が進められているSPAの締結と合わせて、そのような協定が締結されることで、日EU関係はさらなる発展の時代を迎えることになるでしょう。
ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート
Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使
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