2014.12.8

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「変化」の年の締めくくりに

「変化」の年の締めくくりに

本年も残すところわずかとなり、時の経つことの速さを実感しています。2014年は欧州連合(EU)にとっても、世界全体にとっても、大きな変化が起きた一年でした。

EUでは、5月にリスボン条約の下での初めての欧州議会選挙が行われました。これを機に、その後の数カ月間に一連の機構制度改革が実施されました。このたび、新たにドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長、およびジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長が就任し、EUは、域内外で直面している課題に取り組むべく、既に全速力で前に進んでいます。11月末に、欧州委員会は大規模な投資計画に関する提案を採択しました。それは、2015年から2017年までの3年間で、EU経済において少なくとも3,150億ユーロの官民投資を呼び込もうという内容です。

フェデリカ・モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、28加盟国による、戦略的優先課題に関する合意の構築に向けた作業に取り掛かっています。開発援助、通商、人道援助、危機対応など、国際的側面を有するEU政策ツールの間で、最適な調整が行われるよう、既に動き始めているのです。

画期的な自由貿易協定(FTA)と戦略的パートナーシップ協定(SPA)の締結に向けた交渉を続ける上でも、また地域間や多国間のレベルにおいても、EUが日本にとって、信頼のおける正当なパートナーであることが、新しい年において、今ひとたび証明されることを、皆が望んでいます。

私個人にとりましても、今年は変化がありました。2014年が明けた時には、欧州対外行動庁(EEAS)のアジア太平洋本部長としてリスボン条約発効後の複雑な組織体制において、我々の役割を確立させるべく、同僚とともに一生懸命働いておりました。2011年の2月に就任したこのポストでは、加盟国と共に、EUのアジア太平洋地域のパートナー諸国との関係に資するよう、一貫性があり最新かつ包括的な政策を追求してきました。47の国と領土を包含する2つの地域の政策課題を、その最前線で扱うことは、やりがいもありましたが、難しい仕事でもありました。この10月にイタリアのミラノで第10回アジア欧州会合(ASEM)サミットが開催された時、私の本部長として仕事が最高潮に達したと思っています。このサミットには日本の安倍首相も出席されましたが、欧州とアジアの関係における未活用の可能性とともに、双方が互いに学びあう必要性が強調されました。

そして今、この一年が終わりを迎えようという時、駐日EU大使として、これまで蓄積した外交経験を生かしながら、しっかりと確立したEU代表部およびその広範なパートナーや友人のネットワークと共に、日・EU関係を新たな高みへと押し上げる絶好の機会を、手中にしています。

来る年が、EUに、日本に、そして日・EUの戦略的連携に、何をもたらすのでしょうか。期待で胸が高鳴ります。

ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA

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