2014.6.5
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5月22日から25日まで行われた欧州議会選挙は、新議会の誕生と同時に、欧州連合(EU)の新しい指導陣の形成に向けた第一歩でもありました。EU加盟国各国の首脳は、次期欧州委員会委員長候補者を指名する準備を始めていますが、それは最終的には欧州議会の承認が必要となります。
今回の投票率は43.1%で、5年前からほぼ変化なしとなりました。これは、1979年に行われた初回選挙以降の下降傾向を、反転させるまでには至らなかったことを意味しています。予想どおり、選挙結果は欧州統合懐疑派の、国によっては反EU政党の台頭を明らかにしました。特にフランスおよび英国の状況が広く報道されています。とはいえ、EU市民は議席の大半である7割前後を、EUを推進する主流政党を代表する候補者に与えており、選挙前と変わらず欧州人民党と社会民主進歩同盟が二大政党グループとなっています。
欧州理事会のヴァンロンプイ議長は、選挙結果の背景は国によって異なってはいるが、「有権者は強いメッセージを放った」と述べています。
従いまして、選挙後初めて招集されたEU首脳会議で、次期欧州委員会委員長の指名よりも、むしろ選挙結果の分析に焦点が当てられたことは、当然のことかもしれません。欧州の首脳陣は、さらに改革を進めるとともに、これからの重要な時期に向けて、政策の優先順位と戦略的課題を迅速に特定するために、一丸となって取り組む姿勢を示しました。最優先課題には、経済成長と競争力と雇用を生み出す施策の断行が確実に含まれるでしょう。また、各国首脳がEUの対域外関係をより一層強化することに合意したことも、重要な意味を持ちます。
私は、新たな指導陣の下でも、EUが日本のような戦略的パートナーとの緊密な協力を継続することを確信しています。
ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート
Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使
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