2021.8.4

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よりよい未来へ!ホライズン・ヨーロッパ始動

よりよい未来へ!ホライズン・ヨーロッパ始動

「ホライズン・ヨーロッパ」は研究とイノベーションのためのEUの資金助成プログラム。欧州と世界の最高の頭脳を結集して、現代の重要な課題に対する優れたソリューションを提供し、EUの政策優先事項を支援するとともに、欧州の次世代のためによりよい未来を築くことが目的だ。2021年6月、いよいよ公募が開始された。

世界の叡智を結集してグローバルな課題解決に貢献

これまでの長きにわたり、欧州連合(EU)はさまざまな多国間の研究開発を多年次の「資金助成枠組み計画」を通じて支援。欧州の競争力を高めるとともに、欧州に経済成長をもたらし、市民の生活を改善してきた。2014年から2020年までに総額800億ユーロという過去最大規模の予算で実施された第8次枠組み計画にあたる「ホライズン2020(Horizon 2020)」には日本からも多くの研究機関が参加し、多くの成果を残している。

そして、2021年、EUの新たな研究開発の支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ(Horizon Europe)」がいよいよスタートした。2027年までの7年間で、前計画を3割上回る955億ユーロ(約12兆7千億円)を投じる計画となっている。ホライズン・ヨーロッパの目的は、欧州と世界の最高の頭脳を結集して、現代の重要な課題に対する優れたソリューションを提供し、EUの政策優先事項を支援するとともに、欧州の次世代のためによりよい未来を築くこと。目的達成ため、ホライズン・ヨーロッパの主要部分は、①卓越した科学、②グローバルチャレンジ・欧州の産業競争力、③イノベーティブ ヨーロッパ、という3本柱で構成されている。

第1の柱ではこれまでどおり、先端科学の基礎研究・応用研究の伸張に重点が置かれている。第2の柱はホライズン2020における産業リーダーシップと社会的課題解決への取り組みを一つにまとめたもので、グローバルな課題に取り組むため、新たにミッション志向型のアプローチが採用されている。第3の柱は新たな取り組みで、イノベーションを生み、欧州に市場を創出するための支援策となっている。

日本の多くの研究者・起業家に参加を呼びかける

2021年6月16日、欧州委員会はホライズン・ヨーロッパのうち、2021~2022年に公募するプロジェクトの詳細をまとめた事業計画を発表。総予算955億ユーロのうち、2021~2022年の助成額は147億ユーロとした。採択された事業計画の40%以上に相当する約58億ユーロが欧州グリーンディール政策に関連する研究に、約40億ユーロがデジタル化推進に分配され、新型コロナウイルス危機に対応する事業にも約19億ユーロが割り当てられる(※1)。

欧州と世界の最高の頭脳を結集して、現代の重要な課題に対する優れたソリューションを提供することを目指すホライズン・ヨーロッパへの、日本からの積極的な参加が期待される

6月22日には、2021〜2022年に支援する研究計画を選定するための公募が開始となった。7月7日、駐日EU代表部はホライズン・ヨーロッパの開始に際し、情報提供のウェビナーを開催(※2)。冒頭、パトリシア・フロア駐日EU大使は「この3年間で、日・EUの科学、研究、イノベーションにおける協力関係は進化し、日・EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)下での日・EU関係の重要な要素の一つになっています。私はホライズン・ヨーロッパに参加する機会が日本に開かれていることを嬉しく思います。ホライズン・ヨーロッパにより日・EUがこれまで以上に密に連携しながらイノベーションと成長を推進することで、グローバルな課題に取り組む能力を強化することが可能になります」とホライズン・ヨーロッパに日本の研究者が参加することの意義を強調した。

ホライズン・ヨーロッパでは、これまでも日本など域外の企業や研究機関は個別事業に参加してきたが、今後は事業の方向性などを決めるプログラムにも関与できるようになり、より重要な役割を担う。気候変動やデジタル分野など、世界が克服すべき問題が山積する中、同じ価値を持つEUと日本が協力できることは多くある。新たな枠組みに期待が集まっている。

ホライズン・ヨーロッパには、それぞれの国から参加するための専門的なアドバイスや、実地のガイダンスを行うナショナルコンタクトポイント(NCP)が置かれている。日本では日欧産業協力センターがNCP Japanに指名され、経済産業省の支援の下、日本からホライズン・ヨーロッパへの参加を希望する人々に、公募情報の提供や応募手続きのサポートを行っている。詳細については以下のサイト(※3)を参照されたい。

※1 助成と公募に関する全ての情報はこちら(英語)
※2 ウェビナーのプログラム、全プレゼンテーションおよびビデオメッセージはこちら
※3 NCP Japanのウェブサイトはこちら

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