2012.5.7
EU-JAPAN
5月9日はヨーロッパ・デー。1950年のこの日に、フランスの外相ロベール・シューマンが欧州統合の構想を発表したことから、欧州連合(EU)の創設記念日として祝われるようになった。日本では、このヨーロッパ・デーを皮切りに毎年5月上旬から、日・EU間の市民レベルでの交流を目的とする数々のイベントが「日・EUフレンドシップウィーク(EU-Japan Friendship Week)」として、全国各地で開催されている。
今年で12回目を迎えるフレンドシップウィークの始まりは、2000年に沖縄県名護市で行われたG8九州・沖縄サミット。欧州から取材に訪れたジャーナリストと地元市民が、サッカーの親善試合を行ったことがきっかけだった。こうした交流イベントは市民にとってはG8外交よりも身近なもので、駐日EU代表部は、日本とEU諸国の相互理解において強力な意味を持つと認識、翌年の2001年に各パートナーの協力を得てフレンドシップウィークをスタートさせた。同年12月に日欧の首脳により採択された日・EU行動計画でも、主要目標の中に「人的・文化的交流の促進」が盛り込まれ、市民レベルでの交流の重要性は政治レベルでも確認された。ヨーロッパ・デーを記念して5月9日に始まるフレンドシップウィークは、当初は1~2週間で終わる予定だったが、パートナー団体から、スポーツ、文化、学術分野でのさまざまな企画が次々と出され、12回を数える本年は、ふた月以上にわたるかつてない交流の場を提供するに至っている。
「毎年ヨーロッパ・デーに合わせた開催は重要であり、EU代表部はこの催しを続けることで、中・高校生から社会経験豊かな人々まで日本社会の幅広い層に、時間をかけてEUについての知識や親しみを持ってもらえるよう働きかけてきました」と語るのは、ルディ・フィロン駐日EU代表部広報部長。例えば、サッカーやゴルフ大会といったスポーツ交流は、日本と欧州の人々が気軽に知り合える絶好の機会となる。「全国19の大学図書館内にあるEU情報センターや、EUIJ/EUSIといったパートナー機関の尽力があってこそ各地での開催が可能であり、今では代表部からの要請がなくても毎年この時期には自発的に、EU関連の展示やシンポジウムといったイベントが開催されるようになりました」と話す。恒例行事に加え、今年新たに始まる3つのプロジェクトを紹介してもらった。
新プロジェクト1 「あなたの学校がEUにやってくる」 5月16日(水)
駐日代表部が最も力を入れ、加盟国も積極的に参加しているのが「EUがあなたの学校にやってくる(EU Comes To Your School)」という出張授業だ。今年は、5月14日、15日に代表部や加盟国の大使や外交官64人が公募で選んだ全国の高校96校を訪問し、のべ4万4,000人の生徒を対象に講義や交流を行う。代表部では、毎年なるべく新規の学校に訪問するようにしている。将来EUや国際関係に興味を持ち、関連する仕事に就く生徒が出れば、大きな成果だ。このプロジェクトのバリエーションが「あなたの学校がEUにやってくる(School Comes To the EU)」という新プロジェクトだ。代表部が新しいヨーロッパハウスに移転したこともあり、5月16日に近隣4校の高校の生徒を駐日代表部に受け入れ、講義を行うことになっている。
新プロジェクト2 EUイン・ジャパン・ロードショー「EUがあなたの街にやってくる」 5月14日(月)~6月10日(日)
多くのEU協会やEUIJが協力し、ペイントを施したEUのPRバスが埼玉をスタート地点に、北は仙台、南は佐賀までを巡回する。停車地では、EU出身で日本語を話すスタッフが、地元の人たちにEUやユーロについて説明を行ったり、クイズをしたり、グッズや資料を配布する。場所によっては、駐日EU大使やEU代表部の外交官も参加予定。巡回場所については、ウェブサイトをご参照のこと。
新プロジェクト3 ヨーロッパハウス オープンデー 5月19日(土)正午~午後5時半
この日、東京・広尾にあるEU代表部の建物「ヨーロッパハウス」のパブリックスペースとオフィス棟の一部が一般に公開される。ギリシャの民謡やアイリッシュダンスなどのエンターテインメントが楽しめるほか、加盟国の観光情報も入手できる。昨年新しく建てられたヨーロッパハウスの中を見学し、EUだけでなく、加盟各国についての興味を深めることができるだろう。
以上は、EU代表部が加盟国大使館と協力して開催するイベント。このほか、日本で初めての欧州留学フェアが、欧州委員会の教育・文化総局の主導で開催される。また、EU情報センターや、EUIJ/EUSIが企画する展示やシンポジウム、文化行事も各地で行われる(プログラム参照)。
中でもフィロン広報部長のお勧めは、EUフィルムデーズ。フレンドシップウィークの中でも長く続く人気のイベントだ。10回目の今年は、加盟国から21カ国の映画が東京と福岡で上映される。「映画では、舞台となる国の生活、言語、文化に触れることができます」とフィロン部長。地理的に欧州は遠いかもしれないが、欧州文化は日本人の生活の中にも溶け込んでいる。「多くの日本の皆さまに、フレンドシップウィークのいずれかのイベントに足を運び、私たちの活動について知っていただきたいと思います。もしあなたの近所にEUのバスが来たらぜひ立ち寄って、どんな情報があるのか見てみてください」と期待を込めて語った。
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