2012.3.21
FEATURE
マリボルは、首都リュブリャナに次ぐスロヴェニア第2の都市です。スロヴェニア初の欧州文化首都は、このマリボルと周辺の5都市(ムルスカ・ソボタ、ノヴォ・メスト、プトゥイ、スロヴェン・グラデツ、ベレニェ)をパートナーとして開催されます。ドラヴァ川が東西に流れ世界で最も古いとされるワイン畑がある、自然と歴史の魅力あふれるこの地方は、アウトドア派、インドア派どちらにとっても楽しみの多い場所と言えます。また、首都リュブリャナから車で1時間、オーストリアのグラーツから車で30分、クロアチアのザグレブから車で1時間、とアクセスも便利です。
スロヴェニアは、欧州の多くの国と同様、経済不況に見舞われており、マリボルからは国外に移住する人も少なくありません。また、民族、文化、社会階層間でしばしば争いが起きることもあります。欧州文化首都は、マリボルと周辺都市を活性化させ、市民の自尊心を取り戻し、文化交流を通じて新たなアイデンティティを見出す、重要な機会となると期待されています。「マリボル2012」のプログラムは、次の4つの柱を軸に構成されており、年間を通して412のプロジェクトをはじめ、多くの催しが企画されています。
Terminal 12
国内外の質の高い文化芸術プログラムを提供します。日本からはAudition for Life、山海塾が公演を予定しています。
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Town Keys
都市の広がりつつあるアイデンティティを見つめます。注目は18年続いているFestival Lent(6月22日~7月7日)。もともとフォークアートの祭りとして始まりましたが、今日では音楽を中心にさまざまな催しが行われます。
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Urban Furrows
経済や社会、環境、エネルギー問題を取り上げ、各分野の専門家による研究やこれまでの実例から、共生の方法を探ります。
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Lifetouch
各地で開催されたイベントを、マルチメディアを使って世界に発信するとともに、欧州の観点からとらえてみます。公式サイトにも読み物が充実しています(Perspectives and Reflections)。
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このほか、Cultural Embassiesと銘打ったプロジェクトでは、欧州内外の異なる文化に焦点を当てています。日本関連イベントも多数開催されます(図表)。マリボル2012では、マリボル大学がこの都市で果たす役割や可能性に焦点を当てているほか、また、障害を持つ人々のことを考慮し、ボランティアの人たちにも特別の注意を払っています。
日程
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タイトル
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概要
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4月12日
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DJ Krush
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Gustaf Hallでライブ
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6月9日
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Audition for Life
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スロヴェニアのBetontancと日本のOriginal Tempoが共同制作した舞台公演
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9月23日
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「とばり」
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舞踏グループ山海塾の公演
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9‐10月
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インターナショナル・ユース・イン・コンサート
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2004年から続く日欧の若手演奏家によるコンサート。今年は12歳から18歳の日本人演奏家たち50人がマリボルを訪れ、合唱団とともに演奏する
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9‐10月
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「日本に向けられたヨーロッパ人の眼」写真展
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1999年から続くプロジェクト。今年は3月にパートナー都市のノヴォ・メストからボヤン・ラドヴィチ氏が来日し、今日の日本人、日本の生活を撮影、マリボルで発表する
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11月
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川本喜八郎の人形アニメーション
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チェコスロヴァキア(当時)の人形アニメの巨匠イジィ・トルンカの元で学んだ川本氏の作品を上映
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11月5‐9日
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江戸糸あやつり人形
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上條充氏による人形劇
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11月
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乙女文楽
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吉田光華氏による文楽
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資料提供: Maribor2012 Public Relations
※上記プログラムはEU・ジャパンフェスト日本委員会との共同主催
これまで行われたプログラムでは、3月1日、ルカ・スーリッチとステファン・ハウザーによるチェロのデュオ“2 Cellos”の公演で町は盛り上がりました。彼らはもともとクラシックの演奏家でしたが、1年前にYouTubeに投稿したマイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」のカバーが世界的にブレイクし、日本でも注目を集めています。ルカはマリボル出身。リュブリャナでエルトン・ジョンの前座を務めたことを除けば、今回が初めてのスロヴェニア公演で、ロックやポップスの名曲を数多くカバーし、会場を魅了しました。
この先予定されている盛りだくさんのイベントの中でも、もしロック好きであれば、夏(6月28日~7月1日)にノヴォ・メストで開催のスロヴェニア最大級のフェスティバル「ロック・オトチェツ」に出かけるのはいかがでしょう。長い伝統を持つこのフェスティバルでは今年40以上の公演が予定されており、1万人以上の観客で賑わうことが見込まれています。
最後に、ヘレナ・ドルノウシェク・ゾルコ駐日スロヴェニア共和国大使から寄せられたメッセージを紹介しましょう。
「今年、スロヴェニアは欧州の文化・観光地図の上でスポットライトを浴びるでしょう。第2の都市マリボルが栄えある欧州文化首都になっているからです。スロヴェニア北東部に位置し、中世の面影を残す歴史的な都市マリボルやパートナー都市を、より広く欧州や世界に紹介し、都市たちの持つ伝統芸術や現代文化の魅力を披露するイベントに皆さんをお招きできることは格別の喜びです。日本からも多くのプログラムに参加いただくことになっており、欧州の文化行事に趣を添えてくださることでしょう。
私は、マリボルとそこでの文化イベントにより、スロヴェニアが2012年の最も訪問者の多い欧州の旅行先のひとつとなることを確信しています。そして、多くの日本の皆さんに『マリボル2012』を体験していただきたいと心より願っています」 (原文英語)
関連情報
欧州委員会「欧州文化首都」(英語)
「マリボル2012」オフィシャルサイト(スロヴェニア語、英語)
マリボル観光局(スロヴェニア語、英語ほか)
スロヴェニア観光局(スロヴェニア語、英語ほか。一部日本語あり)
EU・ジャパンフェスト日本委員会
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