2015.1.30
OTHER
1月28日、日欧産業協力センターと駐日EU代表部は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第20回締約国会議(COP20、リマ)の成果に対する評価と本年12月のCOP21(パリ)への期待および包括的な気候変動政策などについて、日欧双方からの報告や見通しを聞くセミナーを開催した。
EU側は、気候行動へのリマ要請と2015年協定のテキスト草案の要素に合意し、リマはまずまずの結果を出せた、と評価した上で、EUは「可能な国は3月までに」と求められている自国の削減目標案(INDC)提出時期につき、「しかるべき手続きを経て期限までに提出する」と明言した。また、本年12月のパリ会議に向け、EUは同会議議長国のフランスを通してUNFCCC事務局の合意文書策定作業を支援し、「地球の気温上昇を2℃未満に抑える」という国際的気候目標達成に有効な国際合意のために他国とも建設的協議をする姿勢を示した。
一方、日本側は、リマ会議での合意を評価しつつも、INDCについては「現在鋭意検討中」としその提出時期に関し、3月までなのかそれ以降になるのかは明確にしなかった。また、京都議定書下でできた温室効果ガス削減・吸収促進のための「クリーン開発メカニズム(CDM)」の欠点を補う「二国間クレジットシステム(JCM)」の紹介や、日本の優れた排出削減技術や省エネ技術の普及、「Innovation for Cool Earth Forum (ICEF, アイセフ)会議創設といった各種イニシアチブを通し、国際的気候目標に貢献する日本の努力に関する説明などが行われた。
駐日EU代表部で公開で行われた本セミナーには予想を上回る150人以上が参加し、気候変動問題に対する関心の高さがうかがえた。今後、EUは国際的議論のリードを取りつつ、日本は自身の持つ強みを生かしつつ、それぞれが国際的枠組み合意のために十分に力を発揮していくことに期待がかかる。
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