地球規模の課題に注力する秋

夏が終わりに近づき涼しくなってきましたが、まず、このような厳しい状況にもかかわらず、オリンピック・パラリンピック競技大会を成功裡に開催された日本国民の皆さまと東京都にお祝いを申し上げます。両大会に欧州連合(EU)から参加した4,300人を超えるアスリートたちは、最高峰の大会で競う機会が得られたことに感謝しています。

今後数カ月は、国際社会にとって節目となるさまざまな動きが控えています。その中で、日本やEUなど同じ考えを共有するパートナーたちが取り組みを強化し、国際社会をリードしていくことが期待されています。

9月には、EUがいかにインド太平洋地域への関与を強めるのかを一層明確に示す、新しい共同コミュニケーション(政策文書)が発表される予定です。これは、本年4月にEU理事会が、戦略的に極めて重要な同地域におけるEUの戦略的な焦点、プレゼンス、取り組みを強化する「インド太平洋地域における協力に関するEU戦略」の策定を求めたことに応えるものです。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックから生物多様性、クリーンエネルギー、汚染のない海洋、サイバーセキュリティに至るまで、現代の地球規模の課題を解決するには革新的な技術が不可欠です。日本は、EUにとって研究・イノベーション分野における“必然のパートナー”であり、本年10月に開催される「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」や2027年までのEUの主要な研究助成計画である「ホライズン・ヨーロッパ(Horizon Europe)」の枠組みの中で、日・EUの一層の連携の可能性が検討されます。

11月には、世界が注目する「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」が英国グラスゴーで開催される予定です。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」 作業部会の最新の報告書は、人類にとって今が本当に最後のチャンスであることをまざまざと想起させる内容であり、全ての関係者が気候に関してより意欲的な目標を掲げることは急務となっています。

欧州委員会は、本年7月、2030年までに温室効果ガスの実質排出量を1990年比で55%削減することを実現するためのEUの気候、エネルギー、運輸、税制に関する包括的な気候・エネルギー政策パッケージを発表しました。こうした削減を達成することは、2050年までに欧州が世界で最初の気候中立な大陸となり、「欧州グリーンディール」を実現する上で極めて重要です。

 

パトリシア・フロア
駐日欧州連合特命全権大使

Patricia FLOR
Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the European Union to Japan