2014.2.25

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大雪で再確認する気候変動対策の重要性

大雪で再確認する気候変動対策の重要性

ここのところ日本各地を襲った記録的な大雪は、交通網を大いに混乱させ、多くの人々の生活に支障をきたしました。被害に遭われた方々には心よりお見舞いを申し上げます。実際、近年異常気象に襲われた国は多く、そのこともあって、気候変動やそれが私たちの住む世界に及ぼす影響について以前から交わされてきた議論が一層活発になってまいりました。

欧州連合(EU)は、危険な気候変動の回避を戦略的目標に定めています。温室効果ガスの排出量の大幅削減に全力を傾注しており、他国にも同様の削減を求めています。欧州委員会が最近公表した2030年に向けた気候・エネルギー政策の枠組みでは、EUは2030年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で40%削減することを目標に定めています。我々は、エネルギー効率の高い低炭素社会への転換を図ることにより、イノベーションが刺激され、成長や雇用が生まれるなど、さらなる利益が得られると信じています。なお、雇用の創出はEUにとって極めて重要な政策課題で、2月号の『EUMAG』では若年雇用の問題を取り上げています。

地球温暖化が危険な水準に達するのを防ぐには、地球全体の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2°C 未満に抑えねばならない科学的根拠があることは、国際社会の認めるところであります。にもかかわらず、現時点で講じられている国際的な措置は、気温の上昇をこの範囲内に押さえ込むのに十分なものではありません。

EUは、先進国のみならず主要な新興国にも行動を義務付ける、地球規模で法的拘束力のある枠組みを求めています。そして、こうした合意の採択が2015年12月にパリで開かれる国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で行われることが国際的に決まっています。ずいぶん先の話のように思えるかもしれませんが、実務レベルでの話し合いは着々と進められているのです。

我々と多くの分野で価値を共有し、志を同じくするパートナーの日本とは、この新しい合意が野心的、包括的かつ法的拘束力のあるものに確実になるよう、引き続き協力していけることを期待しています。駐日EU代表部では、3月下旬に横浜で開かれる気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の会合に先立ち、気候変動の科学的側面に関する人々の理解を深めることを目的としたイベントを開催する予定です。詳細は後日、ウェブサイト等でお知らせします。

ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート
Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使

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