2020.9.15
MESSAGE
EU MAGの読者の皆さまにまたこうしてメッセージを届けることができ嬉しく思います。そして、例年とは異なる状況の中でも、皆さまが夏の休暇を満喫されましたことを心より願っております。EU MAGは、今後、欧州連合(EU)や日・EU関係における重要課題の特集記事の掲載に一層重点を置いた、季刊誌の形態に移行することを、ここにお知らせいたします。
新型コロナウイルス感染症は、とりわけ寒い季節の到来とともに流行する季節性インフルエンザへの対応というさらなる問題への懸念もあり、現在も全ての人にとって一番の関心事であることは間違いありません。
しかし、EUは立ち止まってはいません。7月には、欧州理事会の会合に出席した27のEU加盟国の首脳は、7,500億ユーロ規模のコロナ後の復興計画「次世代EU(Next Generation EU)」に合意しました。また、デジタル時代に見合った持続可能な循環経済への移行加速を促す「グリーンリカバリー」を支えるための2021年~2027年のEU長期予算を成立させました。さらに9月1日に、欧州委員会は、新型コロナウイルスのワクチンの公平な普及を目的とする「COVAXファシリティー」に参加し、この重要な取り組みを支援するため、4億ユーロの資金を保証を通じて拠出することを発表しました。そして、日本もまた同枠組みに参加する方針を表明したことを嬉しく思います。
未来に目を転じれば、次の数カ月は、EUと英国の将来関係のあり方を決める重要な時期に当たります。双方にとって有益な合意を期待するEUの立場に変わりはありませんが、日本の皆様にとっても、大きな意味を持つものであることは十分に承知しています。しかし、残念ながらその目的を達成できるかどうかは予断を許しません。あらゆるシナリオへの対応の準備を精力的に進める必要があります。EUは、2021年1月1日の移行期間の終了に向けた必要な準備に関して、行政・企業・市民に向けて積極的に情報提供を行っており、日本のパートナーの皆さまにも準備をなさるようお勧めします。
最後に、EUは、約8年に及ぶ在任期間中に日・EU関係の深化にご尽力頂いた安倍晋三前総理大臣に感謝を申し上げます。また、ここ日本のEU代表部の私どもだけでなくブリュッセルのEU首脳陣共々、このような強固な基盤に立脚した日・EU関係のさらなる発展に向けて菅義偉総理大臣の新政府と共に取り組むことを大変楽しみにしています。
パトリシア・フロア
駐日欧州連合特命全権大使
Patricia FLOR
Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the European Union to Japan
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