日・EU関係のさらなる深化に取り組む

駐日欧州連合(EU)代表部のウェブマガジン『EU MAG』の読者の皆さまに向けたこの初めてのメッセージを、喜びと胸躍る思いをもって書いています。

私は、日・EU関係が大きく高揚する時期に新しい駐日EU大使に就任します。2カ月ほど前の7月17日に、日本とEUの指導者たちは戦略的パートナーシップ協定(SPA)と経済連携協定(EPA)という2つの画期的な協定に署名しました。現在、双方はできるだけ早期に協定が発効するよう、それぞれの手続きを進めています。

2つの協定の重要性と、それらがもたらす将来の日・EU関係に対する大きな可能性は、強調してもしきれません。日本とEUのパートナーシップは、民主主義、法の支配、人権尊重、市場経済などの共通の価値や原則に基づいています。EUにとって日本は、アジアで最も近しく、最も志を同じくしている同盟国の一つであり、かつての貿易と投資重視の関係が、気候変動やエネルギーから開発援助や安全保障までを含む多岐にわたる、より包括的なものへと着々と進化してきたことを、私たちは誇りに思っています。

SPAとEPAが発効すれば、日本とEUのパートナーシップは、それぞれが今国際舞台で担うべき役割に応じた、新たなレベルへと引き上げられるでしょう。日本と欧州は双方とも、約70年にわたり保たれてきた国際的・多国間的な秩序の恩恵を受け、またこれに貢献してきました。現在の国際情勢下では、より良い世界のために力を合わせることがかつてないほど求められている、と私は信じています。

私はSPAとEPAの署名が生み出した勢いに乗って、日本とEUの関係をさらに深めることに個人的に注力する所存であり、職務を果たすことを心待ちにしています。

パトリシア・フロア
次期駐日欧州連合大使

Patricia FLOR
Ambassador-designate of the European Union to Japan