2016.12.14
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欧州議会が優れた人権活動家を称える「思想の自由のためのサハロフ賞」の授賞式が、12月13日にフランス・ストラスブールの本会議場で行われ、2016年の受賞者であるナディア・ムラドさんとラミヤ・アジ・バシャルさんにマルティン・シュルツ議長より賞が贈られた。イラクのクルド系少数派ヤジディ教徒である二人は、過激派組織「ダーシュ(イスラム国〈IS〉)」により拉致、性奴隷にされた後脱出に成功し、ISの性暴力被害を受けた女性の代弁者となり残虐行為などを世界に訴えてきた。ヤジディ教コミュニティはISの大量虐殺の対象となっている。
アジ・バシャルさんは「私は被害者たちの声となれると信じている。サハロフ賞を受賞したことで私はそのための大いなる力をもらった」と述べ、ISの下にはいまだ3,500人以上の子どもと女性が奴隷として人質に取られており、毎日、死ぬようなひどい目に遭っていることを訴えた。また、ムラドさんは、ISが村を襲い多くの命を奪った際「死か改宗か」を迫り、女性はほぼ組織的に奴隷にされたと述べた。
サハロフ賞は、人権問題や思想の自由を守るために献身的な活動をしてきた欧州連合(EU)域外の個人や団体を讃える賞として、1988年に創設された。名称は、人権活動家として1975年にノーベル平和賞を受賞したロシアの物理学者アンドレイ・サハロフ氏に由来する。
受賞者に関するビデオ(YouTube・英語)
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