2021.4.22

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エラスムス35周年記念ユーロ硬貨のデザイン決定

エラスムス35周年記念ユーロ硬貨のデザイン決定

EU市民の留学や教育分野の人材交流などを助成する目的で1987年に始まったエラスムス・プログラムが2022年に35周年を迎えるにあたり、記念ユーロ硬貨が発行されることとなり、コンテストを経てこのたび、そのデザインが決定した。

EUの象徴的なプログラムを象徴するデザイン

当初EU加盟国間の交流促進という目的で立ち上がったエラスムス(The European Action Scheme for the Mobility of University Students=ERASMUS)プログラムは時代とともに拡充・進化し、現在では「エラスムス・プラス(Erasmus+)」という名称の下、日本を含む域外国との学生交流や大学間交流が活発に行われる、EUの中でも象徴的な助成プログラムとなっている。これまでに約1,000万人がこのプログラムの恩恵を受けている。

全EU加盟国を対象にEUの行政執行機関である欧州委員会が行ったコンテストに寄せられた約70点のデザインは、選考委員会で6点に絞られ、本年3月からインターネット上で一般投票にかけられていた。4月15日に発表された優勝デザインは、エラスムス計画の名称の由来とも関わる、16世紀のオランダの人文主義者で自らも国境を越えて学問を追究したデジデリウス・エラスムスのポートレートを用いたもの(下)。

クリックで拡大 Source: twitter

 

ユーロ圏共通の記念硬貨としては5番目

ユーロ硬貨には共通面と各国面があり、共通面のデザインは全ユーロ導入国(ユーロ圏)で統一されている一方、各国面にはユーロ圏各国が決めた独自のデザインが施されており、そのデザインは一定期間変更することができない。しかし、2ユーロ硬貨に限っては、各国は年に2回まで、各国面に特別なデザインを施した記念硬貨を発行することができる。加えてユーロ導入国は共同で、各国面に共通のデザインを施した2ユーロ記念硬貨を発行することもできる。

エラスムス35周年記念硬貨は、ユーロ導入国が共同で発行するもの。各国面に共通デザインを使用するとはいえ、刻印される文字や国名は異なるため、各国は2022年7月1日の流通開始予定日に間に合うよう、それぞれデザインを完成させ鋳造を終えなければならない。

これまでに発行されたユーロ圏共通の記念硬貨は以下のとおり。

  • 2007年3月 ローマ条約調印50周年
  • 2009年1月 経済通貨同盟(EMU)創設10周年
  • 2012年1月 ユーロ紙幣・硬貨流通開始10周年
  • 2015年8月 EU旗制定30周年

なお、いずれのデザインのユーロ硬貨も、ユーロ圏の全ての国で使用することができる。

関連情報

ユーロ圏共通記念硬貨のデザインにご興味がある方はこちらの欧州中央銀行(ECB)のページの下部をご覧ください。

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