2018.2.5
OTHER
写真提供 駐日EU代表部
駐日EU代表部は、昨年11月24日~26日にテレコムセンター(東京都江東区)で開催された「サイエンスアゴラ2017」に、EU加盟各国大使館や日欧の研究機関の協力を得て参加した。日本とEUの共同研究プロジェクトを展示する大型ブースを出展したほか、最先端の研究を紹介する講演やキーノートセッションも行った。
サイエンスアゴラは、科学技術振興機構(JST)が年に一度開催し、約1万人の来場者を集める日本最大の科学技術に関する市民向けイベント。来場者のほとんどは、科学の専門家ではない人々で、子ども連れの家族や高校生も目立つ。2017年のテーマは「越境する」だった。
駐日EU代表部は、サイエンスアゴラで欧州の最先端の科学とイノベーションの一部にハイライトを当てるとともに、さまざまな形で行われている日欧の研究・科学者の共同研究を紹介するために参加した。
11月24日の開幕セレモニーには、EUと加盟各国の駐日大使と同科学技術参事官、および欧州委員会、日本の文部科学省、科学技術振興機構、日本と欧州の研究機関の代表者、そしてEUブースの参加者が出席した。セレモニーでは、欧州原子核研究機構(CERN)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)による「次世代大型ハドロン衝突型加速器」、フュージョン・フォー・エナジー(F4E)と量子科学技術研究開発機構(QST)による「核融合エネルギー分野における日・EUの広範な取り組み(ブローダー・アプローチ)を通じた共同研究」、そして東京大学宇宙線研究所による「ニュートリノ研究におけるSKPLUSプロジェクト」の3つの講演が行われ、来場者に向けて最先端の日欧共同研究の例が紹介された。
講演後には、EUのブース「ヨーロッパ・オープン・サイエンス・ハウス」のテープカットが行われた。
日本とEUの多数の共同研究プロジェクト展示を中心とするこの大型ブースには、3日間にわたって日欧の研究者延べ25人が詰め、彼らの先駆的な業績と、広範囲にわたる多様な研究手法を紹介した。スマートシティ、核融合エネルギー、次世代大型ハドロン衝突型加速器、ニュートリノ研究、農業研究、次世代太陽電池などがその例である。ブースには、研究についてさまざまな側面を伝えるポスターやビデオなどが置かれ、訪れた人々は興味深くそれらの展示物を見たり、研究者と直接話をしたりする機会を堪能できた。
特に子どもや若い学生たちは、科学と研究が生み出す興奮と喜びに触れるだけでなく、国際共同研究がいかに新たな洞察と相補性を導き出すか、また多くの場合、それがいかに長く続く友情をもたらすかを知ることができ、大いに刺激を受けていた。
このほか、欧州委員会と駐日EU代表部の代表者は、24日と25日に行われたサイエンスアゴラの2つのキーノートセッションにも参加した。テーマは「科学で持続可能な未来都市をつくろう! 〜持続可能な開発目標(SDGs)達成で変わる世界〜」と、「国連・持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて科学と政策をどうつなげるか? 〜日本及び世界での政策決定への科学的助言の取り組み〜」の2つ。
幅広い層から科学への参画を奨励し、日欧共同研究の可視性をさらに高めるためのアウトリーチ活動の計画実行は、 2015年の第4回日EU科学技術協力合同委員会で合意された「日本国政府と欧州委員会の間の研究・イノベーションにおける新たな戦略的パートナーシップに向けて:共同ビジョン」の中で挙げられている5つの優先事項の一つだ。
この関連においてサイエンスアゴラは、EUが日本の一般市民と交流し、日本と欧州が学問の新境地を開拓して地球規模の課題に対処するために、科学技術分野でいかに協力し合っているかを示す素晴らしい機会となっている。
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