2016.10.12
MESSAGE
今月が欧州連合(EU)にとって非常に重要かつ象徴的な出来事で始まったことを大変うれしく思います。すなわち、EUが気候変動に関するパリ協定を批准するための政治的プロセスが完了したのです。この決定が国連事務総長に寄託されたその時点でEUの批准が有効になり、これによってその30日後にパリ協定が発効することになりました。
気候変動対策において世界の先端を行くものとして、EUは内部手続きを加速し、初の法的拘束力ある世界的気候変動協定であるパリ協定を実体あるものにするために、可能な限りの努力を行ってきました。この結果は、EUが気候変動対策に真剣に取り組んでいることを示しており、EUは誇りに感じてよいことだと思います。批准は重要な一歩ですが、それと同じくらい重要なのは、パリで約束した目標を達成するために各国が行う努力です。EUや日本のような主要経済圏は、域内の行動においても、また、最も脆弱な国々が気候変動に耐性のある低炭素経済へと移行するのを支援するという点においても、先頭に立って行動する特別な責任を負っています。
10月は、EUが掲げる基本的価値と関係するもう一つの問題、すなわち、世界中での死刑制度の廃止に取り組む月でもあります。10月10日は世界死刑廃止デーとなっており、EUはますます多くの国々および団体・機関と共に死刑の廃止を呼びかけます。EUは、死刑が非人道的で尊厳を損なう処罰であり、犯罪の抑止力があることは証明されておらず、誤審を取り返しのつかない、致命的なものにしてしまう恐れがあると信じています。我々は引き続き、日本において死刑に関する開かれた、公的な議論が行われることを期待しており、そうした議論が行われる場合には我々の経験を共有していく用意があります。
ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使
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