2021.3.1
MESSAGE
今年の3月は、東日本大震災から10年の節目に当たることから、とても厳粛な気持ちで迎えています。震災という悲劇によって数多くの命と暮らしが失われたことを思い起こせば、被災者の皆さまの勇気や忍耐、回復力に頭が下がる思いです。欧州連合(EU)は、グリーンで包摂的な復興を目指す日本の皆さまの力になりたいと考えています。一例として2021年春号のEU MAGでは、災害時の被害軽減に役立つことが期待される、ドローンを活用した災害救助用ロボットの開発を目指す、日・EUの共同研究を紹介しています(記事はこちら)。
研究といえば、欧州のバイオベンチャーであるビオンテック社と米国のファイザー社が最先端技術を活用して共同開発した、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が日本でスタートしたことを嬉しく思います。
1月30日、EUは、新型コロナウイルス感染症ワクチンの域外輸出を3月末まで事前承認制とする、対象を限定した一連の措置を導入しました※1。本制度は輸出を禁止するものではなく、透明性の確保を主な目的としています。また、対象を限定し、透明性のある、相応で一時的な措置として、世界貿易機関(WTO)の下でのEUの義務に従って、実施されます。EUから日本へのワクチンの供給は、導入後も順調に進んでいます。EUとEU加盟国は、ワクチン接種計画に関して、引き続き日本政府と緊密に連携していきます。
ワクチン接種は、日本やEUの市民をはじめ、世界中の何十億もの人々にとっての希望の光です。「全ての人が安全でなければ、誰も安全ではない」という信念や、世界的なワクチン不足を踏まえ、EUは、日本とともに、全ての国への公平なワクチンの分配を実現するため、「COVAX ファシリティー」など多国間の取り組みを積極的に支援しています。
私たち全員の決意と努力が可能にする世界的なワクチン接種活動が成功を収め、来年こそまた桜の木々の下で花見ができるようになることを願っています。
パトリシア・フロア
駐日欧州連合特命全権大使
Patricia FLOR
Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the European Union to Japan
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