2015.2.13
MESSAGE
新年早々パリで新聞社襲撃事件が、そしてその後中東で日本人二人がイスラム過激派組織に殺害される事件が起き、大変心を痛めています。二人の犠牲者のご遺族と友人、日本政府および日本国民に心からお悔やみを申し上げます。
こうした残虐な行為やさらなるテロ攻撃の脅威に、国際社会はひるむべきではありません。いや、決してひるむことはないのです。欧州連合(EU)はこれらの行為を強く非難します。こうした攻撃は、結果的に自分たちの価値を守りぬく我々の決意を一層強固なものにするだけです。テロは、民族的背景や宗教、信仰に関係なくあらゆる国、あらゆる国民に直接的な脅威をもたらします。グローバル化が進んだ世界において、こうした脅威には、国際協力と断固とした国家行動で対抗するしかありません。
欧州においてテロ対策の主な権限は各加盟国にありますが、EUのレベルで追加施策を講じることは可能です。我々は特に、テロ対策をEUの外交政策の主流にしっかりと組み込むよう、迅速な行動を取っています。
そのためにEUが年内に実施する、5つの主要な取り組みがあります。これらは域内行動(司法・内務問題)の分野ですでに実施されている取り組みを強化するものであり、具体的には次の通りです。
1) 主要国との連携強化
2) 能力構築支援
3) 過激化および暴力的過激主義対策
4) 国際協力の推進
5) 背景要因および進行中の危機への対応
欧州統合の主眼はこれまでも常に平和、安定、繁栄の確保にありました。60年以上の年月をかけて統合が進められ、もはや欧州域内での戦争は考えられなくなりました。しかし、現在我々の周りで起きている出来事を見ると、世界規模での平和的共存と安定を損なう脅威に立ち向かうためには、欧州がその経験と政策手段を結集させねばならないことが分かります。我々は、日本のような志を同じくするパートナーと協力し、テロ資金の流れを断つことや、過激派との戦いの最前線に立つ国々へのさらなる支援とそれらの国々の能力構築の強化に取り組んでいこうとしています。
ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使
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