2024.5.16
WHAT IS THE EU?
EUの「内閣」に当たる行政執行機関。「EU基本条約の守護者」であり、欧州全体の利益を代表し、追求することを使命としています。
欧州委員は日本の大臣に相当し、欧州委員会は各加盟国から1人ずつ合計27人の委員で構成されています。任期は5年。欧州委員会は、この27人の委員の合議体を指す場合(狭義の欧州委員会)と、委員の活動を支える、日本の省庁に当たる総局・局で働く職員を含む機関全体を指す場合(広義の欧州委員会)とがあります。
欧州委員会の主な役割は以下の通りです。
欧州委員会の組織は、日本の省庁に相当する「総局(Directorates-General)」、主に事務を担当する「サービス部門(Services)」、EU が策定したプログラムを管理する「執行機関(Executive Agencies)」などからなっています。
ウルズラ・フォン・デア・ライエン Ursula VON DER LEYEN (ドイツ) 委員長 事務総局、法務局、コミュニケーション総局(報道官室を含む) 1958年10月8日、ベルギー・ブリュッセル生まれ。1990年ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)入党。2003~05年ニーダーザクセン州で社会・女性・家族・健康相を務めた後、2005~09年同国の家族・高齢者・婦人・青少年相、2009~13年労働・社会相、2013~19年国防相を歴任。 | |
マルグレーテ・ヴェスタエアー Margrethe VESTAGER (デンマーク) 執行副委員長 デジタル時代にふさわしい欧州 事務総局、競争総局 1968年4月13日、デンマーク・グロストラップ生まれ。2000~01年デンマーク教育相、2011~14年経済・内務相を務める一方、2001~14年同国議会議員、うち2007年から社会自由党党首、2011~14年欧州議会議員も兼ねる。2014~19年欧州委員会競争政策担当委員 | |
ヴァルディス・ドムブロフスキス Valdis DOMBROVSKIS (ラトビア) 執行副委員長 人々のための経済 および通商担当 通商総局 1971年8月5日、ラトビア・リーガ生まれ。2002~04年ラトビア財務相、2004~09年欧州議会議員、2009~14年首相。2014~19年欧州委員会副委員長としてユーロ・社会的対話を担当、2016年以降は金融安定・金融サービス・資本市場同盟も担当。現欧州委員会では金融安定・金融サービス・資本市場同盟担当から2020年10月より通商担当に変更。 | |
マレシュ・シェフチョビチ Maroš ŠEFČOVIČ (スロヴァキア) 副委員長 欧州グリーンディール 機関間関係・フォーサイト(予測) 気候行動総局、共同研究センター(JRC) 1966年7月24日、チェコスロヴァキア(現スロヴァキア)・ブラティスラヴァ生まれ。2004~09年スロヴァキアのEU常駐代表部代表。2009年欧州委員会委員となり、2010年まで教育・訓練・文化・青少年担当、2010~14年副委員長として機関間関係・総務担当。2014~19年副委員長に再任され、エネルギー同盟担当。2023年ティーマーマンス副委員長の後任として欧州グリーンディールも担当 | |
ジョセップ・ボレル Josep BORRELL (スペイン) 副委員長兼EU外務・安全保障政策上級代表 国際社会でより強い欧州となる 事務総局、欧州対外行動庁(EEAS)、外交政策手段局 1947年4月24日、スペインのラ・ポブラ・デ・セグール生まれ。1986~2003年スペイン議会議員。2004~09年欧州議会議員(うち2004~07年は議長)。2010~12年欧州大学院(イタリア・フィレンツェ)学長、2013~16年マドリード・コンプルテンセ大学でジャン・モネ・チェア(EU研究を専門とする教授)。2018~19年スペイン外相。 | |
ヴェラ・ヨウロヴァ Věra JOUROVÁ (チェコ) 副委員長 価値・透明性 事務総局 1964年8月18日、チェコスロヴァキア(現チェコ)・トシェビーチ生まれ。2003~06年チェコ地域開発副大臣。2006~11年西バルカン地域でEU加盟に関するコンサルタント活動。2014年地域開発相を務めた後、2014~19年欧州委員会法務・消費者・男女平等担当委員。 | |
ドゥブラヴカ・シュイツァ Dubravka ŠUICA (クロアチア) 副委員長 民主主義・人口動向 事務総局、コミュニケーション総局 1957年5月20日、クロアチア・ドゥブロヴニク生まれ。2000年まで教職に就き、2000~11年クロアチア議会議員、この間2001~09年にドゥブロヴニク市長も務める。2012~16年クロアチア民主同盟副代表、2013~19年欧州議会議員、欧州人民党(EPP)のクロアチア代表団団長。 | |
マルガリティス・スキナス Margaritis SCHINAS (ギリシャ) 副委員長 欧州的生き方を推進する 事務総局 1962年7月28日、ギリシャ・テサロニキ生まれ。欧州委員会の副委員長や委員長の官房勤務の後、2007~09年欧州議会議員。以降、欧州委員会のコミュニケーション総局、欧州政策アドバイザー室、経済・金融総局などで活動の後、2014~19年首席報道官、2015年よりコミュニケーション総局副総局長。 | |
ヨハンネス・ハーン Johannes HAHN (オーストリア) 委員 予算・総務 予算総局、人的資源・保安総局、インフォマティクス総局、翻訳総局、通訳総局、出版局、欧州不正対策局 1957年12月2日、オーストリア・ウィーン生まれ。1997~2003年ノヴォマティック社理事、後に最高経営責任者(CEO)。2007~10年オーストリア科学・研究相。2010年より欧州委員会委員。地域政策(~2014年)と欧州近隣政策・拡大交渉(2014~19年)を担当。 | |
ニコラ・シュミット Nicolas SCHMIT (ルクセンブルク) 委員 雇用・社会権 雇用・社会問題・インクルージョン総局 1953年12月10日、ルクセンブルク・ディフェルダンジュ生まれ。1998~2004年ルクセンブルクのEU常駐代表部大使。2004~09年外務・移民副大臣、2009〜13年労働・雇用・移民相、2013~18年労働・雇用・社会連帯経済相を歴任。2019年欧州議会議員に選出。 | |
パオロ・ジェンティローニ Paolo GENTILONI (イタリア) 委員 経済 経済・金融総局、税制・関税同盟総局、欧州統計総局(ユーロスタット) 1954年11月22日、イタリア・ローマ生まれ。元ジャーナリスト。2002~07年イタリアのキリスト教左派政党「マルゲリータ」の報道官。2006~08年通信相、2014~16年外務・国際協力相、2016~18年首相を歴任。2019年同国民主党党 | |
ヤヌシュ・ヴォイチェホフスキ Janusz WOJCIECHOWSKI (ポーランド) 委員 農業 農業・農村開発総局 1954年12月6日、ポーランドのラバ・マゾビエツカ生まれ。1991~93年ポーランド高等法院判事、1993~95年下院議員、1995~2001年最高監査院長。2001~04年議会下院副議長。2004~16年欧州議会議員。2016年より欧州会計監査院委員。 | |
ティエリー・ブルトン Thierry BRETON (フランス) 委員 域内市場 通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局、域内市場・産業・起業・中小企業総局、防衛産業・宇宙総局 1955年1月15日、フランス・パリ生まれ。1986~88年フランス教育相官房アドバイザー。トムソン・マルチメディアやフランス・テレコムなど数々の企業で最高経営責任者(CEO)や会長などを務めた後、2005~07年経済・財政・産業相。2007~08年米国ハーバード大学で教鞭を執り、2008~19年にアトス社CEO。 | |
エリサ・フェレイラ Elisa FERREIRA (ポルトガル) 委員 結束・改革 地域・都市政策総局、構造改革支援総局 1955年10月17日、ポルトガル・ポルト生まれ。1995~99年ポルトガル環境相、1999~2002年地方整備・地方発展計画相を務め、2002~04年同国議会議員。2004~16年欧州議会議員。2016年ポルトガル中央銀行理事となり、2017年より同副総裁。 | |
ステラ・キリアキデス Stella KYRIAKIDES (キプロス) 委員 保健・食品安全 保健・食品安全総局 1956年3月10日、キプロス・ニコシア生まれ。2006年よりキプロス議会議員。2012年より欧州評議会議員総会(PACE)キプロス代表団団長、うち2017~18年PACE議長、2019年PACEにおける欧州人民党の副議長を務める。2017~19年キプロスのがん戦略国家委員会委員長。 | |
ディディエ・レンデルス Didier REYNDERS (ベルギー) 委員 司法 司法・消費者総局、内部監査局 1958年8月6日、ベルギー・リエージュ生まれ。1992年よりベルギー議会議員。2004年以降、副首相を務めながら機構改革、国営宝くじ担当、財務、外務・欧州問題などの大臣職を歴任。2018年からは外務・欧州問題担当相に加え防衛相も兼務。 ※欧州評議会(The Council of Europe)事務局長選挙への立候補のため2024年4月下旬から休職しており、一時的にヨウロヴァ副委員長がレンデルス委員の所管を担当している。 | |
ヘレナ・ダッリ Helena DALLI (マルタ) 委員 平等 平等対策室、司法・消費者総局と雇用・社会問題・インクルージョン総局の平等問題関連部局 1962年9月29日、マルタ生まれ。1996年よりマルタ議会議員。1996~98年首相府の女性の権利担当政務次官、1998~2013年影の内閣の行政・平等・公共放送・国家投資担当相。2013~17年社会対話・消費者問題・市民の自由相、2017~19年欧州問題・平等相。 | |
イルヴァ・ヨハンソン Ylva JOHANSSON (スウェーデン) 委員 内務 移住・内務総局 1964年2月13日、スウェーデン・フッディンゲ生まれ。教職を経て、1994~98年同国の学校相、その後複数の民間企業で顧問や取締役を務めた後、2004~06年保健・高齢者介護相、2006~14年スウェーデン議会議員。その後2014~19年雇用・統合相、雇用相を歴任。 | |
ヤネス・レナルチッチ Janez LENARČIČ (スロヴェニア) 委員 危機管理 欧州市民保護・人道援助行動総局(ECHO) 1967年11月6日、スロヴェニア・リュブリャナ生まれ。1992年に同国外務省入省後、外相顧問、首相外交顧問などを経て、2003~06年スロヴェニアの欧州安全協力保障機構(OSCE)常駐代表部大使、2006~08年欧州問題担当相、2008~14年OSCE民主的機関・人権局局長、2014~16年首相府欧州問題・外務担当相、2019年スロヴェニアのEU常駐代表部大使。 | |
アディナ・ヴァレアン Adina VĂLEAN (ルーマニア) 委員 運輸 モビリティ・運輸総局 1968年2月16日、ルーマニア・バイコイ生まれ。2004~07年ルーマニア議会代議員(下院)議員。2007年より欧州議会議員、うち2014~17年には副議長を務めたほか、2017~19年環境・公衆衛生・食料安全委員会委員長、2019年より産業・研究・エネルギー委員会委員長。 ※2024年6月の欧州議会選での当選を受け、辞任。シェフチョビチ執行副委員長が当面担当する。 | |
オリヴェール・ヴァールヘイ Olivér VÁRHELYI (ハンガリー) 委員 近隣政策・拡大 欧州近隣政策・拡大交渉総局 1972年3月22日ハンガリー・セゲド生まれ。2003~06年ハンガリーのEU常駐代表部法務部長、2006~08年同国法務省EU法局局長、2008~11年欧州委員会域内市場・サービス総局で産業財産権担当課長、2011~15年ハンガリーEU常駐代表部副代表、2015年からは同大使。 | |
ユッタ・ウルピライネン Jutta URPILAINEN (フィンランド) 委員 国際パートナーシップ 国際パートナーシップ総局 1975年8月4日、フィンランド・ラプア生まれ。2003年よりフィンランド議会議員、2008~14年社会民主党党首。2011~14年財務相兼副首相、その間2013~14年世銀・IMF合同開発委員会委員、2013~14年フィンランド持続可能な開発国家委員会委員長などを歴任。2015~18年ユネスコの国内委員会委員長を務める一方、2017~19年フィンランド外相調停特別代表。 | |
カドリ・シムソン Kadri SIMSON (エストニア) 委員 エネルギー エネルギー総局(ENER) 1977年1月22日、エストニア・タルトゥ生まれ。タリン市議会およびタリン市長の顧問を務めた後、2003~07年エストニア中央党幹事長。2007~16年エストニア議会議員、うち2009年からエストニア中央党議会内会派会長。2016~19年経済問題・インフラ相。2019年再び同国議会議員およびエストニア中央党議会内会派会長。 | |
ヴィルギニユス・シンケヴィチュウス Virginijus SINKEVIČIUS (リトアニア) 委員 環境・海洋・漁業 環境総局、海事・漁業総局 1990年11月4日、リトアニア・ヴィリニュス生まれ。2011~15年ニュースポータル「The Lithuanian Tribune」の編集者・記者を務めるかたわら、2013~14年欧州政策分析センター(ワシントン)のアナリストとして活動。2016年よりリトアニア議会議員、同時に同国の政党「農民・グリーン同盟」副議長。2016~17年議会経済委員会委員長を務め、2017~19年経済・イノベーション相。 ※2024年6月の欧州議会選での当選を受け、辞任。フックストラ委員が当面担当する。 | |
メイリード・マクギネス Mairead McGuinness (アイルランド) 委員 金融安定・金融サービス・資本市場同盟 金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局 1959年6月13日生まれ。アイルランド出身。ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで農業経済学を専攻。ジャーナリストやブロードキャスター、コメンテーターなど務めた後、2004年に欧州議会議員に初当選。以後再選を重ね、2013年に議会内欧州人民党グループの副党首、2014年には議会副議長に選出(2017年より第一副議長)。2020年10月、欧州委員会委員に就任。 | |
イリアナ・イヴァノヴァ Iliana IVANOVA (ブルガリア) 委員 イノベーション・研究・文化・教育・青少年 研究・イノベーション総局、教育・青少年・スポーツ・文化総局、共同研究センター(JRC) 1975年生まれ。1999~2002年ブルガリア農業食品省で国際金融機関担当官、2007~09年ソフィア市議会議員を務めた後、2009~12年欧州議会議員。2013~23年欧州会計検査院(ECA)委員を経て、2023年9月マリヤ・ガブリエル前欧州委員の後任として就任。 | |
ウォプケ・フックストラ Wopke HOEKSTRA (オランダ) 委員 気候変動対策 気候行動総局 1975年9月30日、オランダ・ベンネコム生まれ。石油大手シェル勤務後、マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナーを務めながら2011年、オランダ上院議員に初当選。2017~22年オランダ財務相、2022~23年オランダ外相兼副首相を経て、2023年10月、フランス・ティーマーマンス前欧州委員の後任として就任。 |
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