2019.7.5
2019年7月1日にルーマニアからEU理事会議長国を引き継いだフィンランドは、議長国就任後の同月4日~5日、ヘルシンキにジャン・クロード・ユンカー委員長率いる欧州委員会委員一同を迎え、アンティ・リンネ首相率いる同国政府閣僚との会合を開催した。
フィンランドが議長国として掲げる優先課題とその背景は以下のとおり。
欧州連合(EU)は、ますます複雑で予測不可能になる世界情勢に直面している。大国間の競合や独断的な一国主義が強まり、ルールに基づく国際制度と規範や理念に対する異議が唱えられ、そしてEUの共通の価値が疑問視されている。さらに、加盟国の一つがEUから脱退しようとしている。
欧州統合の礎である平和や安全保障、安定、民主主義、繁栄は守られなければならない。共に行動し共通の価値を守ることによってのみ、EUは、市民の幸福と繁栄を促進しつつ、私たちの時代の主要な課題に取り組むことができるのだ。
欧州の成功は、民主主義的な機関、人権、法の支配に支えられている。法の支配を強化し、EUが法の支配に基づく多国間制度や国際的な人権機関を確実に守り、市民が平和と平等な権利を享受できるようにする必要がある。
EUは、社会的・環境的・経済的に持続可能な形で幸福と繁栄を作り出すことで、自らの価値を証明することができる。EUを一般市民が支持するかどうかは、EUが効率的に意思決定を行い、合意したことを実行する能力があるかどうかに左右される。欧州は、強く効果的であることで初めて世界に対して影響力を持つことができる。
透明性、より良い規制、市民の参加、補完性と比例性の原則の尊重が、EUへの信頼を高めるために極めて重要である。
フィンランドは、「トリオ議長国」プログラム(前任のルーマニア、後任のクロアチアと共に定めた18カ月間のプログラム)で強調されているように、「2019~2024年戦略的アジェンダ」の新しい優先事項をEU理事会の作業に取り入れる初めての議長国となる。
ロゴマークについて
フィンランドは、持続可能な形で着実に議長国の任務を果たし、会合を成功に導くことを目指している。非物質的な価値やさまざまなデジタル化の取り組みも、フィンランド議長国の視覚的なアイデンティティの中心にある。
この視覚的なアイデンティティは、「借りたもの、新しいもの(something borrowed, something new)」というテーマでデザインされている。アイデンティティを構成している主要な視覚的要素は、2006年にフィンランドが議長国を務めた時にシンボルマークとなったグラフィックと、新しいEU2019. FI のロゴタイプ(意匠文字)を基に作成されている。すっきりとした輪郭を持つこのロゴマークは、物事を遂行する上での一貫性と持続可能性を表現している。
フィンランド議長国のウェブサイトはこちら
「議長国」については、EU MAG 2017年5月号(vol. 60)の「EU理事会と議長国について教えてください」をご参照ください。
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