2016.2.9
MESSAGE
鏡開きで新年を祝ったのが昨日のように思えますが、欧州連合(EU)にとって冬の休暇の季節は確実に終わっており、内外に山積するさまざまな課題にフル回転で取り組んでいるところです。
まず、世界的な課題への対応では、テロ対策と移民問題の取り扱いにおいて、積極的に協議を進め、解決策を工夫しています。欧州テロ対策センターが欧州警察機関(ユーロポール)内に設置され、外国人戦闘員問題などへの対処や、テロリストの資金源、インターネットを通じた宣伝工作、武器の密輸などに関する情報の共有が図られています。欧州委員会もテロ資金対策を強化するための計画を提出しました。テロの根源に対して策を講じることが必須であるとの観点から、EUはシリア危機への国際社会の対応を積極的に支援するとともに、加盟国と合わせて、50億ユーロを超す資金提供を決めるなど、世界最大の援助を実施しています。
欧州内に話を戻しますと、英国の「EU残留か離脱か」を問う国民投票が引き起している懸念にどう対応するかの協議が続いています。これは、日本でも大きな関心事となっていると承知しています。欧州委員会のユンカー委員長が述べていますように、どの問題をとっても簡単に解決できるものではありませんが、「英国が入っていることでEUは強さを増し、EUの中にいることで英国はより強くなっている」のだと思います。まず英国にとって、そして同時にEUにとっても公正な形になることを、全ての関係者が希求しています。
ここ日本では、当代表部においても、今年主要国首脳会議(G7)の議長国を日本が務めることに伴う震動をすでに感じ始めています。東京のみならず、日本の各地において、さまざまなレベルにおける会合が開催され、多くの要人が来訪することになっています。年が明けてからこれまでの数週間での世界の動きは、G7のような枠組みを維持することの重要性を、浮き彫りにしました。移民、テロ、エネルギー安全保障、世界経済の安定、核不拡散などのような、深刻な課題への対応を継続するために、不可欠なものだからです。その中で、EUも果たすべき役割を遂行する決意です。
ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使
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