Behind the news ニュースの背景

新型コロナ危機下でEU経済を守る新支援策「SURE」

新型コロナウイルス感染拡大により、収入や所得に打撃を受けた労働者や自営業者を支援するために欧州委員会が提案した、「緊急時の失業リスク緩和のための一時的支援策(SURE)」が、2020年5月19日にEU理事会で採択された。これはEUから加盟国への総額上限1,000億ユーロの融資という形で行われ、6月1日から運用開始となった。

英国脱退後のEUの制度的変更

2020年1月31日に英国が脱退し、EUは創設以来、加盟国離脱という初めての経験をすることとなった。同国の脱退により、何がどのように変わったのか。2020年12月31日までとされる移行期間中の措置を含め、EUの制度的な変更を中心に解説する。

脱炭素と経済成長の両立を図る「欧州グリーンディール」

地球規模で環境問題が深刻化する中、欧州委員会は2050年までにEU域内の温室効果ガス排出をゼロにする「欧州グリーンディール」を最優先政策に掲げ、今後10年のうちに官民で少なくとも1兆ユーロ規模の投資を行う計画を発表した。

ベルリンの壁崩壊30周年と欧州統合

1961年に建設され、ドイツ・ベルリン市内の東西の通行を物理的に不可能にし、冷戦によるドイツおよびヨーロッパの分断の象徴として、長らく立ちはだかった「ベルリンの壁」。ベルリンの壁崩壊から30年がたった今、ドイツ再統一が欧州統合に与えた影響について振り返ってみたい。執筆は、川嶋周一明治大学政治経済学部教授。

EUの新しい2019年~2024年の戦略的課題

2019年6月20日にブリュッセルで開かれた欧州理事会では、2019年~2024年の5年にわたりEUの指針となる新しい「戦略的課題」が合意された。今後、欧州理事会が優先的に取り組むとともに、EU諸機関が行う業務の方向性を示す、本課題の趣旨を概説する。

ジェンダーと政治的立場のバランスが取れた次期EU首脳人事

2019年は、欧州議会と欧州委員会の構成員が入れ替わり、主要機関の首脳が新しくなるEUにとって大きな節目の年だ。EU史上初めて、欧州委員会委員長に女性が選出されるなど、進みつつある首脳人事の現状と次期首脳・首脳候補の横顔を伝える。

着実に進むEUと日本の関係強化 ~第26回日・EU定期首脳協議~

本年に入って発効したEPAと暫定適用が開始したSPAにより、日・EU間の協力関係はますます深まっている。26回目の開催となる4月下旬に開かれた日・EU定期首脳協議では、これら2協定の実施状況を評価するとともに、約2カ月後に控えたG20大阪サミットを視野に入れた話し合いが行われ、今後のさらなる二者間の連携を示す共同声明を発表した。

核融合エネルギー研究で日欧協力が進む「サテライト・トカマク計画」

日本とEUは長年にわたり、社会が直面するさまざまな課題へ対応すべく、数多くの共同研究を行ってきている。その一つが持続可能なエネルギー生産を目指す核融合エネルギー研究、すなわち、量子科学技術研究開発機構(QST)那珂核融合研究所(茨城県那珂市)で進行中の「サテライト・トカマク計画」(JT-60SAプロジェクト)だ。

COP24でEUが世界に示した2050年までの戦略的展望

2018年12月に開かれ、気候変動抑制を目的として多国間で合意したパリ協定を実施するための「ルールブック」を採択したCOP24。欧州委員会はそれに先立ち、2050年までに気候中立な経済の実現を目指す戦略的展望(ビジョン)を発表。COP24においても、EUが他国を先導し、気候変動に対して耐性のある未来に寄与するための長期ビジョンを、世界のパートナーに対して明示した。今後EUでは、電力、産業、輸送、農業、建物などの各分野で、低炭素社会への移行に向けた多角的な取り組みが計画されている。

連結がさらに強まるアジア欧州会合(ASEM)とEUの対アジア新戦略

欧州とアジアの両地域が対話し、幅広い分野での協力を目指す相互協議の場、「アジア欧州会合(ASEM)」。2018年10月18日、19日にブリュッセルで開かれた第12回ASEM首脳会合では、参加国・機関の首脳が連結性を強める取り組みを進めていくことに合意した。また今回のASEM開催に連動し、両地域の国々から若者が集まった「ASEFヤングリーダーズサミット」についてもレポートする。

付加価値税(VAT)税制の抜本的改革に向けたEUの取り組み

EUの共通課税制度であるVAT。EU単一市場の構築に不可欠なことから導入された後、幾つかの問題点を改善しながら、現在に至っている。EUのVAT税制が整備されてきた軌跡をたどり、その抜本的改革に向けて行われた、ここ数カ月間の新しい動きを紹介する。

日・EUの連携を強める戦略的パートナーシップ協定(SPA)

日本とEUの間の経済連携協定(EPA)と戦略的パートナーシップ協定(SPA)が、2018年7月に署名されたことによって、二者間関係が飛躍的に進展することが期待される。本稿では、SPAで掲げられた4つの目標と具体的な内容を概説する。