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英国脱退後のEUの制度的変更

2020年1月31日に英国が脱退し、EUは創設以来、加盟国離脱という初めての経験をすることとなった。同国の脱退により、何がどのように変わったのか。2020年12月31日までとされる移行期間中の措置を含め、EUの制度的な変更を中心に解説する。

EUの条約について教えてください

EUは、加盟国間で締結する国際条約を法的根拠に欧州統合を進めている。本稿では、現行の主たる条約を説明するとともに、これまでの主要な変遷をたどり、最新の改正でもたらされた大きな変化を示すことで、EUの仕組みや域内外での立ち位置などについて理解の一助となることを目指す。

英国、EUから脱退

英国がEUからの離脱を表明し、EU条約第50条(脱退条項)を発動させてから2年10カ月。たび重なる脱退期限の延期と脱退協定の合意・批准までの紆余曲折を経て、2020年1月31日深夜にいよいよ同協定が発効する。

初の女性委員長が率いるフォン・デア・ライエン新欧州委員会

2019年12月1日、EU史上初の女性委員長となるウルズラ・フォン・デア・ライエン氏率いる新欧州委員会が誕生した。2024年10月31日までの約5年間、EU運営の重責を担うフォン・デア・ライエン委員会の編成とともに、同委員会が掲げる6つの政策課題、そして委員長の出身国ドイツ以外の加盟各国から選ばれた新欧州委員26人の顔ぶれを紹介する。

EU新体制、12月1日にスタート

ドイツ出身で初の女性委員長、ウルズラ・フォン・デア・ライエン氏が率いる新欧州委員会が、12月1日に発足することが決まった。任期は2024年10月31日まで。11月28日に欧州理事会(EU首脳会議)が書面による手続きで正式に任命した。

EUが導入予定の出入域システムについて教えてください

EUの対外国境管理を増強する新しい「出入域システム」が、2020年から導入される。これにより、テロや犯罪への対策が強化されるほか、日本人を含むEU域外国の国民が、シェンゲン圏へよりスムーズに出入りできるようになることが期待されている。

安全保障・防衛やEMUなどで改革を進めたEU首脳 ~欧州理事会の結論~

昨年12月に開催された、2017年を締めくくる欧州理事会(EU首脳会議)では、常設軍事協力枠組みの創設やEMUのさらなる深化、また英国のEU脱退に向けた交渉の次段階への進展などで合意が見られ、分断化が進む国際情勢の中で、団結して改革と前進を続けるEU首脳の強い政治的意志がうかがわれた。

欧州委員会委員長の2017年「一般教書演説」と優先課題の進捗状況

欧州委員会のユンカー委員長は、本年9月13日に欧州議会で「一般教書演説」を行い、「EUの経済は復調しており、英国の離脱決定を巡って27カ国の団結は強まっている」と述べた。また、今後の重点的な取り組みを提示し、2014年の就任時に掲げた「10の優先課題」の進捗状況も発表した。

EUの安全同盟について教えてください

市民が安心・安全に暮らせることを目指して、EUは加盟国と連携しながらテロ対策やサイバーセキュリティ強化、対外国境警備増強などに当たり、EU域内で実効性のある真の「安全同盟」が構築できるように取り組んでいる。

英国にあるEU機関の移転先はアムステルダムとパリに決定

EU理事会は11月20日、現在ロンドンに置かれている欧州医薬品機関(EMA)と欧州銀行監督機構(EBA)をそれぞれアムス テルダムとパリに移転すると決定した。