欧州理事会、英国との脱退交渉指針を採択 -4月29日

2017年3月29日に英国が欧州理事会に対し、欧州連合(EU)と欧州原子力共同体から脱退する意志があると通告したことを受け、英国を除くEU首脳は4月29日に特別欧州理事会を開催し、英国との脱退交渉に関する指針を採択した。

以下の6項目に大別された指針は、EU基本条約第50条に基づく交渉の枠組みを規定し、今後の交渉においてEUが追求する全体の立場や原則を打ち出している。欧州理事会は常に状況を把握し、交渉過程で必要に応じてこの指針を更改する。交渉指令もそれに応じて調整する。

I. 主要原則
II. 交渉への段階的アプローチ
III. 秩序ある脱退のための取り決めへの合意
IV. 将来的なEU・英国関係の枠組みのための予備的・準備的協議
V. 誠実な協力の原則
VI. 第50条における手続き的取り決め

統合は欧州に平和と繁栄をもたらし、急激に変容する世界の中で、共通の利益に関する事柄において前例のない度合いと範囲の協力を可能にした。それゆえに、交渉におけるEUの総合的な目的は、連合とその市民・企業・加盟国の利益を守ることである。

なお、指針の採択を受けて欧州委員会は早急にEU理事会に対し、交渉開始の勧告を提出する。

指針の原文はこちら:European Council (Art. 50) guidelines for Brexit negotiations

関連情報

EU条約第50条に関するQ&A(英国離脱までのスケジュール付き)(日本語仮訳)

英国のEU離脱通知を受けた欧州理事会の声明(日本語仮訳)