2018.7.1

オーストリア、EU理事会の議長国へ

オーストリア、EU理事会の議長国へ

議長国の引継ぎ式に臨むオーストリアのクルツ首相、EUのトゥスク欧州理事会議長およびブルガリアのボリソフ首相(左より) © Federal Chancellery of Austria 2018 BKA/Dragan Tatic

2018年7月1日から半年間、オーストリアがEU理事会の議長国を務めるにあたり、6月30日に同国シュラートミンクにて、2018年前半の議長国ブルガリアからの引き継ぎセレモニーが行われた(写真)。1995年に加盟した同国にとって、1998年と2006年に続く、3度目の議長国就任となる。

オーストリア議長国のモットーは「A Europe that protects」。仲介と橋渡しをその役回りと位置づけ、緊張緩和やEUへの信頼強化に務める。具体的には安全保障・不法移民、デジタル化を通じた繁栄と競争力の確保、西バルカン諸国のEUに近づこうとする努力の支援に取り組む。また、EUは、共同で解決する必要のある大問題に集中し、加盟国や地域の方がうまく取り組める問題の場合は一歩引く、という補完性の原則(principle of subsidiarity)をより強く提唱していく。

リスボン条約(改正基本条約、2009年12月発効)で導入された「トリオ議長国」制度の下、オーストリアは先行するエストニア(2017年後半)およびブルガリア(2018年前半)と共に設定した18カ月間の長期的優先事項を基に行動する。昨年3月のローマ宣言に沿って、トリオ議長国は27カ国からなるEUの将来に関する議論を前進させる。

期間 2018年7月1日~12月31日

関連情報

オーストリア議長国のサイト(英語)
トリオ議長国プログラム(英語)
議長国に関する統計情報(EU統計局発表、英語)

「議長国」については、EU MAG 2017年5月号(vol. 60)の「EU理事会と議長国について教えてください」をご参照ください。

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