欧州映画2作品がアカデミー賞で全7冠を制す -2月26日

2012年2月26日に発表された第84回米国アカデミー賞で、モノクロのサイレント映画『アーティスト』がオスカー(最優秀作品賞)をはじめ監督賞(ミシェル・アザナビシウス)、男優賞(ジャン・デュジャルダン)、衣装デザイン賞(マーク・ブリッジス)、音楽賞(ルドヴィック・ブールス)の5部門を制覇した。また、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』が、女優賞(メリル・ストリープ)、メイクアップ賞(マーク・クーリエ、J・ロイ・へランド)の2部門で栄冠に輝いた。両作品は、欧州連合(EU)の映画産業振興プログラム「MEDIA」の支援を受けており、今回のアカデミー賞にはMEDIA支援作品がこのほか7本ノミネートされていた。

欧州が生んだ映画文化を継承・発展させると同時に、映画を通じてEUの多様性を内外に伝えることを奨励するため、EUは製作、配給、映画人育成、映画祭出品などにMEDIAプログラムを通して資金を援助している。2007年から2013年までのMEDIAの予算総額は7億5,500万ユーロ。フランスとベルギーが共同で製作した『アーティスト』には、製作国以外での上映を奨励する目的で1万7,000ユーロが、また英仏共同製作の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』には同じ目的で150万ユーロが援助された。MEDIA支援の作品がオスカーを制したのは、2008年の『スラムドッグ$ミリオネアー』(英国)と2010年の『英国王のスピーチ』(英国・オーストラリア)に続く。