G20大阪サミット後も政治日程目白押しのEUの夏

日本の読者の皆さまは、欧州の夏の数カ月は、誰もが休暇に出かけるためとても静かだろうと思われるかもしれませんが、今年の欧州連合(EU)の夏のカレンダーは、空欄だらけとはほど遠い状況です。

5月の欧州議会選挙の結果に基づいて、7月2日に、親EU勢力が3分の2の多数を占めた新しい欧州議会の会期が始まり、初本会議が開催されます。新議会は、緑の党やリベラル政党が議席を伸ばすなど、今日のEUの政治的な多様性を反映しています。

また、欧州理事会議長、欧州委員会委員長、EU外務・安全保障政策上級代表を選ぶことにつながる、新たなEU首脳候補の選出も予定されています。

国内では、日本が議長国を務めた初めての主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が6月28日~29日に大阪で開催されましたが、これについて日本の尽力に感謝いたします。G20議長国として日本は、国際社会が非常に難しい時期にある中で、多国間主義やルールに基づく国際秩序の重要性に焦点を当てるため最大限の力を尽くしました。また、G20大阪サミットは、日本とEUが志を同じくするパートナーとして緊密に協力するさらなる機会となりました。

そして涼しい季節に思いを馳せる前に、わたしたちは、8月28日~30日に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD)に向けて準備を進めています。同会議には、欧州委員会のネベン・ミミツァ国際協力・開発担当委員が参加する予定です。アフリカは、歴史的にEUにとって重要な地域であり、また日本とEUは、新しい日・EU戦略的パートナーシップ協定の枠組みの下で、アフリカ諸国と連携しながら、安全保障、開発、連結性といった課題に協力して取り組むことができます。

最後に、読者の皆さまが素晴らしい夏を過ごされることをお祈り申し上げます。

パトリシア・フロア
駐日欧州連合特命全権大使

Patricia FLOR
Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the European Union to Japan