40年を振り返り未来に目を向ける

今月、欧州連合(EU)が日本に外交公館を開設してから40周年を迎えました。1974年に当時の欧州共同体(EC)が東京に代表部を創設した後、発展を続け、2009年12月に発効したリスボン条約により、EU代表部となりました。当初は、日本とEUの協議の対象は、貿易摩擦に集中しておりましたので、当然、代表部の仕事もその対応が中心でした。

それからの40年間、EUは国際社会の重要な一員になりました。5億人の市民を抱え、18カ国が共有するユーロという単一通貨を擁する経済圏としてのみならず、国際問題への対応においても、世界の安全を確保する上でも、主要な役割を果たすようになったのです。

リスボン条約により、東京の代表部はEUの外交部である欧州対外行動庁の所属となり、日本でEUのすべての機関を代表しています。その権限も大きく強化され、外交および安全保障政策、経済・通商政策、エネルギー安全保障や気候変動などの世界的課題が包含されています。

このように40周年を迎えるにあたり、対日関係がいかに広範な政策領域において、また人と人の交流を通じて、発展してきたかをあらためて見直す時、欧州は常に先を見ています。日本とEUは、2013年の春、戦略的パートナーシップ協定と、野心的かつ包括的自由貿易協定に向けた交渉を同時に開始したことで、相互関係の新たなページをスタートさせました。

双方の政策立案者が、日本とEUの連携は未開の潜在力を秘めているとの認識を有しております。私もこの2つの協定が妥結された暁には、相互関係がより深く、より有意義なものになるばかりか、最も重要な点として、今後長きにわたり行動指向型の連携を発展させていくものと、確信しています。

ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート
Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使