2019.5.1

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G20大阪サミットへの足がかりにしたい日・EU首脳協議の成果

G20大阪サミットへの足がかりにしたい日・EU首脳協議の成果

青々とした緑が初夏の訪れを告げる中、私からは、日本と欧州連合(EU)の関係が政治の最高レベルで順調に推移していると確認されたこと、また今後数カ月の間に日本側と協働する上で新たな目的意識が生まれたことの双方について、ご報告申し上げたいと思います。

去る4月25日にブリュッセルで、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長とジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長が安倍晋三総理大臣と年次の日・EU首脳協議を開催し、私も同席いたしました。同協議では二者間の問題から地域的・国際的な進展まで、幅広く話し合われました。 双方は、速報値に表れているように、日・EU経済連携協定(EPA)が貿易促進に既に貢献していることを祝い、同協定が開かれた公正な貿易のための高水準なルールの手本であるとの確信を深めました。首脳たちはまた、二者間の戦略的パートナーシップ協定(SPA)を最大限に活用したいとの考えを確認し、欧州とアジアのより緊密なつながりを促進するために、持続可能な連結性(コネクティビティ)および質の高いインフラなどの分野での協力を深めることとしました。 さらに、個人情報保護のための国際基準を形成し、デジタル経済に関する協力を進める意向を確認しました。

加えて、本年6月に大阪で開催され、トゥスク議長とユンカー委員長も参加するG20サミット(20カ国・地域首脳会合)について建設的な意見交換を行いました。日本とEUは同じ考えを持っている国・地域であることから、当然のように、日本のG20議長国としての優先事項は、欧州の関心事項と重なっています。すなわち、経済成長と格差是正、気候変動や海洋汚染に対する地球規模の行動の促進などです。

今次の首脳協議は、5月11日~12日の新潟の農業大臣会合を皮切りに開催されるG20の各閣僚会合と、6月の大阪サミットの成功ための日・EU協力の強化に向けた重要な足がかりでした。EUの2人の首脳は、G20 の議論に貢献することを心待ちにしています。

パトリシア・フロア
駐日欧州連合特命全権大使

Patricia FLOR
Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the European Union to Japan

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