「還暦」を迎えたEUの新しいスタート

2017/05/08

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欧州連合(EU)にとって5月は特別な月です。1950年の5月9日に、フランスの外務大臣、ロベール・シューマンによって、何十年も戦争を繰り返してきた国々どうしで石炭と鉄鋼を共同で管理する仕組みが提案された、そのことを祝う月だからです。

その構想は、行く行くは今のEUに発展するものでした。その間の、ちょうど60年前の1957年3月25日には、統合欧州と平和・繁栄・安全への最初の一歩である、ローマ条約が調印されました。

60年は、人の人生で言えば干支が一巡し第二の人生が始まる区切りです。4月29日に開かれた特別欧州理事会で、27加盟国の首脳は、英国のEU脱退をめぐる同国政府との交渉指針に合意し、新たなスタートを切りました。事態がここに至ったのは残念ですが、27加盟国の首脳は、なお一層の結束と連帯を通して、より強くより耐性のあるEUとなるよう取り組むことを確認したのです。

もちろん変わらないこともあります。英国脱退後も世界第2位の経済規模を持ち、世界最大の開発・人道援助を提供しているEU は、民主主義、多国間主義、人権の尊重といった日本と共有する基本的価値を擁護し、国際的な舞台での中心的存在であり続けます。

駐日EU 代表部は、EU創設記念日である5月9日のヨーロッパ・デー前後から行われる数々のイベントで、さらに力を入れて日本の皆さまと交流していきます。過去最多の高等機関・国が欧州から参加し、それぞれの最も魅力的な教育プログラムを紹介する「欧州留学フェア」に、今年も多くの来場者があることを期待しています。また、欧州の映画を一堂に集めて上映する「EUフィルムデーズ」では、どなたでもお気に入りの作品を見つけることができると自負しています。

私は、引き続き日本の友人が、二者間関係を強化し、流動的な時代において国際的な秩序の維持・強化に連携するための共同努力を倍増できるよう、EUを信頼できる献身的なパートナーとして受け止めてくれることに自信を持っています。

ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ
Viorel ISTICIOAIA-BUDURA
駐日欧州連合特命全権大使

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2017/05/08

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