2014.5.19

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新緑は万緑へ― 活気に満ちた5月

新緑は万緑へ― 活気に満ちた5月

5月は欧州連合(EU)にとっても日・EU関係にとっても、非常に刺激的な月であります。今月のEU MAGが特集記事で詳細を報じている通り、5月22日から25日までEUの全28加盟国で欧州議会選挙が行われます。5年に一度行われるこの欧州議会選挙はEU市民に、議会への代表者に票を投じることを通じて、自らの考えを表明する機会を与えています。欧州議会は市民が直接選挙で選ぶ唯一のEU機関であり、その固有の役割が認められ、徐々に大きな権限を持つようになりました。2009年12月にリスボン条約が発効して以来初めて行われる今次の選挙では、選挙結果と欧州委員会委員長を含む次期EU指導者陣の顔ぶれとの間に初めて関連性がもたらされます。選挙は年内に行われるEU首脳人事の事実上の出発点となるのです。 

二者間関係について言えば、本年の日・EU首脳協議(日・EUサミット)が5月7日にブリュッセルで開催されました。ゴールデンウィークに安倍晋三総理大臣が欧州6カ国を歴訪されましたが、その旅の最後を飾る日・EUサミットで、ヘルマン・ヴァンロンプイ欧州理事会議長、ジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長と安倍総理は、民主主義、法の支配、人権といった共通の価値、および開かれた市場、ルールに基づく国際制度といった共有された原則に基づいた日・EUの戦略的パートナーシップを強化していくことを再確認しました。

日・EUの貿易・投資関係は、野心的かつ包括的な自由貿易協定(FTA)へのコミットメントに見られるように引き続き大いに重要ではありますが、二者間の協力関係は、外交・安全保障政策に特に重点を置くなど、新たな分野へと広がりつつあります。それゆえ、日本とEUは戦略的パートナーシップ協定交渉も並行して行っているのです。 

サミットでは日本とEUの具体的な協力分野について合意しましたが、私は、双方ともが合意から実施へと次の段階に進むことを切望している、と確信しています。

ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート
Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使

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