多彩なイベントを展開、欧州をより身近に

5月は欧州連合(EU)にとって特別な月です。それは、1950年の5月9日、当事のフランス外相であったロベール・シューマンが「強力な枠組みを軸として堅固に統合かつ構築された欧州」を、戦後の欧州のビジョンとして打ち出したことから、この日をヨーロッパ・デーとして祝賀しているからです。その第一歩として、シューマンはフランスとドイツが石炭と鉄鋼の生産を一機関に移管する提案を行い、欧州統合の種がまかれたのです。

このヨーロッパ・デーの祝賀は、日・EUフレンドシップウィークの幕開けを記すものでもあります。5月から7月上旬までの何週間にもわたって、数多くの学術、文化、広報イベントを開催し、日本の皆さまに欧州をより身近に感じてもらうためのプログラムを繰り広げます。詳細はフレンドシップウィークのウエブサイトでご覧いただけますが、ここでいくつかの目玉となるプロジェクトを紹介したいと思います。

まず、「EUがあなたの学校にやってくる」というイベントでは、EUの外交官が全国91の高校を訪問し、約49,000人の生徒の前でEUに関する講義を行いました。東京と京都で開催される「欧州留学フェア」には50ほどの欧州の大学が参加します。ヨーロッパハウスのオープンデーにはEU代表部の施設を一般に公開することになっているほか、東京と4つの地方都市において「EUフィルムデーズ」映画祭が巡回します。

シューマンは「統合欧州」は「事実上の相互依存、相互利益、共同行動への希求を生み出す具体的な実績を積み上げることを通して築かれるもの」と確信していました。これは今もなお真実であり、EUがユーロの枠組みの強化と成長と雇用の創出のために力を結集していることに表れています。

一方で、今日のEUは国際社会で主要な役割を果たしており、価値を共有する日本のような対外パートナー諸国と、共通の利益のために協調行動を図ることが、外交政策の大きな柱のひとつとなっています。読者の皆さまがフレンドシップウィークのイベントを一つでも多く経験して、欧州のさまざまな側面について理解を深め、日・EU関係のさらなる発展の可能性を実感していただけるように願っています。

ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート

Hans Dietmar SCHWEISGUT
駐日欧州連合大使